NECは2021年11月26日、AIによる意思決定支援サービス「数理最適化導入コンサルティングサービス」を提供開始した。意思決定をAIで自動化する技術について、ユーザー企業への導入を支援する。価格は個別見積もり。NECは同サービスをはじめとする最適化関連事業で、2025年度までに100億円の売上を目指す。
NECは、最適化技術の分野において、量子コンピューティング技術や、熟練者の意図を学習し意思決定を模倣する意図学習技術、今回新たに開発した、不確実な環境下でもインタラクティブな最適化が可能なオンライン最適化技術など、さまざまな独自技術の開発を進めている。
今回提供を開始した「数理最適化導入コンサルティングサービス」は、これらの独自技術を活用することによって、従来は最適化の導入が難しかった業務においても、意思決定の自動化を可能にするサービスである(図1)。
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具体的には、業務改革や新事業創出に取り組む企業を対象に、NEC独自の最適化技術を適用した事業ビジョン・コンセプトの企画、AI活用シナリオの検討、アクションプランの策定などを行う。また、同サービスと合わせて、AI活用の導入効果について実データを用いて検証可能な「AI活用仮説検証サービス」を提供する。
NECによると、数理最適化導入コンサルティングサービスおよびAI活用仮説検証サービスにおいて、独自技術である「意図学習技術」を利用することで、従来1年近くが必要だった最適化のモデル化を約10分の1の期間で行ったという。
開発の背景としてNECは、次のような課題を挙げている。「従来、ダイナミックプライシングやレコメンドの最適化などの意思決定の自動化は、需要や人の嗜好を精度よく予測できることを前提としていた。このため、データ不足や環境変化が起こるような予測の不確実性が高い状況下では自動化が難しかった」(同社)。
こうした課題に対してNECは、予測の不確実性を考慮した意思決定によって多様なデータを獲得する「オンライン最適化技術」の独自アルゴリズムを開発。これにより、不確実性の高い状況下での頑健性を高め、より広範な業務で意思決定の自動化が可能になる。
「ダイナミックプライシングやシフトスケジューリング、配送計画やパーソナライズ広告、レコメンドの最適化など、膨大な選択肢の中から最適な意思決定案を選び出さなければならない業務において、最適化技術が活用され始めている。業務負荷の軽減や業務スピードの向上が期待できる」(同社)。
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