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IIJ、回線を切り替えても切れないVPNサービス「FXM」にゼロトラストセキュリティ機能を追加

後継の「IIJフレックスモビリティサービス/ZTNA」を開始

2022年1月25日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

インターネットイニシアティブ(IIJ)は2022年1月25日、リモートアクセス用VPNサービス「IIJフレックスモビリティサービス/ZTNA」を発表した。既存サービス「IIJフレックスモビリティサービス」(FXM)にZTNA(ゼロトラストモデルのネットワークアクセス)機能を追加した後継サービスにあたる。同年1月31日から提供する。価格(税別)は初期費用が35万円。月額費用は「Starter」プランが100デバイスで月額20万円、「Core」プランが1500デバイスで月額145万円など。

 IIJフレックスモビリティサービス(FXM)は、リモートアクセス用のVPNサービスである(図1)。クライアントPCにインストールするVPNクライアントソフトウェア(Windows/iOS/Androidで動作)から、インターネットを介してネットワークサービス「IIJ Omnibus」上に設置したVPNサーバーにリモート接続して使う。これにより、IIJのネットワークサービスに接続した企業や拠点にモバイル環境やテレワーク環境からアクセスできるようになる。

図1:IIJフレックスモビリティサービスとIIJフレックスモビリティサービス/ZTNAの概要(出典:インターネットイニシアティブ)図1:IIJフレックスモビリティサービスとIIJフレックスモビリティサービス/ZTNAの概要(出典:インターネットイニシアティブ)
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 FXMの特徴は、VPNソフトウェアに「NetMotion」(米NetMotion Software製)を使っていることである(関連記事ネットワールド、“切れない”VPNソフトウェア「NetMotion」、仮想NICでVPN接続を維持)。VPNクライアントは、インストールした端末上に「仮想NIC」を作り、ルーターとして動作する。無線LANやモバイル回線などアクセス回線が切り替わっても仮想IPアドレスは変わらないため、アプリケーションは接続が維持されていると認識する仕組みである。

 今回、FXMのベースとなるVPNソフトウェアをバージョンアップ、ZTNA(ゼロトラストモデルのネットワークアクセス)機能を追加した(図2)。VPNクライアント側できめ細かくアクセスポリシーを制御できるようになった。時間や場所、端末、セキュリティパッチの状態など、ユーザーや端末の状態に応じて動的に認可ポリシーを決定し、VPN接続の許可/拒否、VPNトンネルを介さない直接通信の許可/拒否などを制御する。

図2:IIJフレックスモビリティサービスにZTNA(ネットワークアクセスにおけるゼロトラスト型のセキュリティ)機能を追加した(出典:インターネットイニシアティブ)図2:IIJフレックスモビリティサービスにZTNA(ネットワークアクセスにおけるゼロトラスト型のセキュリティ)機能を追加した(出典:インターネットイニシアティブ)
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 例えば、セキュリティ対策済みの端末や、指定した端末に限ってVPN接続やインターネット通信を許可したり、アクセス可能な業務アプリケーションやサーバーをホワイトリストで指定する、といった制御が可能である。ウイルスなどの脅威を検知した際には自動でアクセスを遮断して社内ネットワークの安全性を確保するといった運用もとれる。

 2022年3月末から提供する上位プラン「Complete」ではさらに、通信状況を可視化する機能やWebアクセスのURLフィルタリング機能(米Webroot Softwareのデータベースを利用)を追加している。通信の可視化機能では、VPNトンネルを介したアクセスだけでなく、本社へのVPNアクセスを介さないSaaSへのローカルブレイクアウトについても可視化できる。可視化ログの保管期間は、90/180/360日から選べる。

 プランの詳細と価格(税別)は、表1の通り。初期費用は、35万円。利用料金は、「Starter」プラン(帯域100Mbit/s、100~500デバイス目安)が100デバイスで月額20万円。「Core」プラン(帯域200M~2Gbit/s、100~6万デバイス目安)が1500デバイスで月額145万円。「Complete」プラン(帯域200M~2Gbit/s、100~6万デバイス目安)が1500デバイスで月額222万5000円。

表1:「IIJフレックスモビリティサービス/ZTNA」のプラン(出典:インターネットイニシアティブ)
プラン Starter Core Complete
提供開始日 2022年1月31日 2022年1月31日 2022年3月末予定
機能 VPN接続 VPN接続
アクセス制御(ZTNA)
VPN接続
アクセス制御(ZTNA)
モニタリング(通信の可視化)
デバイス数(目安) 100~500デバイス 100~6万デバイス 100~6万デバイス
VPN-GW帯域 100Mbit/s固定 200M~2Gbit/s(100Mbit/s単位で契約) 200M~2Gbit/s(100Mbit/s単位で契約)
リージョン シングルリージョン(日本、西日本から選択可能) シングルリージョンまたはマルチリージョン シングルリージョンまたはマルチリージョン
初期費用(税別) 35万円 35万円 35万円
利用料金(参考価格、税別) 月額20万円
(100デバイス利用時)
月額145万円
(1500デバイス利用時)
(1デバイス換算で月額967円)
月額222万5000円
(1500デバイス利用時)(1デバイス換算で月額1484円)
ポリシー設定支援オプション 30万円 70万円 70万円
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IIJ / ゼロトラスト / IIJ Omnibus / VPN

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