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「農作物に適した土地を探す」など、衛星データは経営判断に役立つ─JAXA認定ベンチャーの天地人

2022年3月10日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

衛星データ活用ベンチャーの天地人(東京都港区)は、農作物の生産に適した土地の評価など、宇宙データや気象データの分析による新たなビジネスを作り出している。2022年3月10日、日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)主催の「データマネジメント2022」のセッションに登壇した天地人 COO/取締役の百束泰俊氏は、衛星データ分析の可能性と、天地人が手がけるビジネスの概要を紹介した。

 天地人は、2019年に設立した衛星データ活用ベンチャーである。「ポテンシャル名産地」(この場所で、この農作物を作ると、収穫量が増える)を探すという事業のアイディアが内閣府の宇宙ビジネスコンテストで受賞したことをきっかけに事業を開始した。同ミッションとして「人類の文明を最適化する」を掲げている。

写真1:天地人でCOO/取締役を務める百束泰俊氏写真1:天地人でCOO/取締役を務める百束泰俊氏
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 「気象データや、衛星によるリモートセンシングデータは、経営の意思決定に役立つ」と、天地人でCOO/取締役を務める百束泰俊氏は指摘する(写真1)。典型的なデータ活用分野が農業である。「温暖化など気候変動の影響が顕在化しており、農作物の収益が低下している」(百束氏)。新たな生産地を見つけなければならない。

 天地人が開発したアプリケーションの1つが、農作物の産地としての土地のポテンシャルを発見する「天地人コンパス」である。(1)作りたい農作物にとって最適な土地を探す。(2)いまある土地にとって最適な農作物を提案する。(3)最適な栽培方法を提案する(種を撒く時期、肥料を与える時期など)、という3つの機能を提供する。最適な土地や農作物は、過去のアーカイブデータを使って導き出す。栽培方法については、栽培中にリアルタイムに支援を行う。

 現在、宇宙開発は官主導から民間主導に移行しつつあり、データ活用ビジネスが立ち上がっている。天地人もデータ活用企業であり、データ観測企業と連携してビジネスを進めている。人工衛星業界は、ロケット製造、ロケット打ち上げ、人工衛星製造、衛星データアーカイブ、データ解析、データサービスなど各種のプレーヤがいる。現在では7000機の人工衛星が飛んでおり、10年以内に8倍に増えるという。

地面の温度や土地の傾斜情報なども衛星から得られる

 百束氏は、衛星データの特徴を5つ挙げる。継続性(過去のデータを参照・比較できる)、広域性(広い地域を一度に観測できる)、越境性(国境を超えて離れた場所が見られる)、抗堪性(災害の影響を受けにくく緊急事態に強い)、同報性(客観データを同時に共有できる)、である。

 衛星から見られるデータは豊富である。一例が光学写真である。降雪状況など、四季による見た目の変化が分かる。羽田空港の上空写真から、過去数十年にわたって空港が広がっていく様子が分かる。人が立ち入りが難しいアマゾン熱帯雨林の変化(違法伐採)も分かる。地球規模で都市部の夜の光(経済状況)も見える。

●Next:農業にとって重要なデータの1つは、地面の温度データ

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