[調査・レポート]
Kubernetesの管理クラスタ数が増加、マルチクラウド化も進み一貫したセキュリティ方針が必要に─VMware調査
2022年5月9日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)
ヴイエムウェアは2022年5月9日、コンテナ運用基盤「Kubernetes」のユーザー動向についての調査結果を発表した。ここ数年、Kubernetesクラスタの規模が大きくなっていることが分かった。2022年の調査では、回答者の3分の1が50個以上の大規模なクラスタを運用。また、回答者の約半数は、クラスタ数が今後1年間で50%以上増えると予測している。
ヴイエムウェアは、コンテナ運用基盤「Kubernetes」のユーザー動向についての調査結果を発表した。ハイライトとして、ここ数年、Kubernetesクラスタの規模が大きくなっている。2022年の調査では、回答者の1/3が50個以上の大規模なクラスタを運用している。また、回答者の約半数は、クラスタ数が今後1年間で50%以上増えると予測している。
調査は、2018年、2020年、2021年に続く4回目である。2022年は、ソフトウェア開発者とITプロフェッショナルの776人を対象とし、米VMwareが米Dimensional Researchに依頼して調査した。調査は、従業員数1000人以上の企業で、Kubernetesに責任を持つ個人に焦点を当て、幅広い役割、業界、地域、職務をカバーしている。
運用中のKubernetesクラスタ数が数年で急増
直近3年間で、デプロイしているKubernetesクラスタ数が急激に増えた(図1)。2020年の調査では、回答者の30%でクラスタ数が5以下であり、51個以上と回答したのは全体の15%にとどまった。一方、2022年の調査では、クラスタ数が5以下は12%で、回答者の29%が51個以上のクラスタを運用している。
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クラスタ数の増加は来年度以降も続く。来年度の計画について、回答者のほぼ半数(48%)が、Kubernetesクラスタ数が50%以上増えると予想している(回答者の13%は2倍以上に増えると予測、回答者の35%は50~100%に増えると予測している、図2)。50%には及ばないものの、クラスタ数が20~50%増えると予想している回答者も28%いる。
マルチクラウドへのデプロイは10ポイント増の46%
Kubernetesのメリットの1つは、クラウドを運用しやすくなることである。特に、マルチクラウド(複数のパブリッククラウド)へのデプロイが増えている傾向がある。2021年の調査では、36%がマルチクラウドでKubernetesを利用していたが、2022年にマルチクラウドを利用しているのは46%と10ポイント増えた(図3)。また、エッジロケーションでKubernetesを運用している回答者も11%から15%へと増えた。
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