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NTTデータ、KVMベースのサーバー仮想化基盤「Prossione Virtualization 1.0」をリリース
2025年7月31日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)
NTTデータは2025年7月31日、KVMベースのサーバー仮想化プラットフォーム「Prossione Virtualization 1.0」を提供開始した。VMware vSphereに代わる選択肢として位置づける。ホストOSはRed Hat Enterprise Linux(RHEL)で、同年秋にはAlmaLinuxも動作保証の対象に加える。価格(税別)は1台あたり年額90万円。
NTTデータの「Prossione Virtualization(プロッシオーネ バーチャライゼーション)」は、Linuxカーネル標準のサーバー仮想化機構のKVM(Kernel-based Virtual Machine)を利用したサーバー仮想化プラットフォームである(関連記事:NTTデータ、KVMベースのサーバー仮想化基盤「Prossione Virtualization」を発表)。

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KVMの仮想サーバー(VM)を複数台の物理サーバー上で運用するために必要な管理機能「Prossione Virtualization Manager(PVM)」をNTTデータが新規に開発した(図1)。
仮想サーバーを動かすKVM側にエージェントソフトウェア「PVM Agent」をインストールし、これを管理マネージャ「PVM Controller」から管理する。管理マネージャとエージェントが通信することで、仮想化システム全体を管理する。
NTTデータはPVMを「VMware vSphereに代わる選択肢」として位置づける。「2025年3月に発表してから反響があった。代替策となる仮想化基盤の需要が大きいことを実感した」(同社 執行役員テクノロジーコンサルティング事業本部長の新谷哲也氏、写真1)としている。また、データ主権を確保する目的から、ソブリンクラウドとは別の選択肢として、オンプレミス環境で動作する仮想化基盤の需要があるという。

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特にメリットが大きいユーザー層は2極化していると、ソリューション事業本部OSSソリューション統括部長の濱野賢一朗氏(写真2)は指摘した。一方は物理サーバー3~5台の小規模システムで管理機能が欲しい層で、もう一方はコスト要求が強い大規模システムを運用している層である。
「これらの中間に位置する層は他のベンダーを含めて選択肢が多いが、両極の層にはProssione Virtualizationが向く」(同氏)。
7月31日にリリースした初期版(バージョン1.0)では、サーバー仮想化基盤の管理ソフトに求められる最低限必要な機能を実装している。まず、物理サーバーと仮想サーバーの情報を収集して一元管理し、仮想サーバーの電源オン/オフなどを行えるようにした。また、需要が大きい機能として、動作中の仮想サーバーを物理サーバー間で移動するライブマイグレーション機能を実装している(図2)。

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動作を保証するホストOSは、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)である。2025年秋には、RHEL互換のAlmaLinux OSも動作保証の対象に加え、AlmaLinuxのサポートをセット化したサブスクリプションを用意する(図3)。伴って、AlmaLinuxのサポートサービスを提供するサイバートラストと協業を開始した。

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