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NTTデータ、KVMベースのサーバー仮想化基盤「Prossione Virtualization」を発表
2025年3月12日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)
NTTデータグループは2025年3月12日、KVMベースのサーバー仮想化プラットフォーム「Prossione Virtualization」を発表した。VMware vSphereに代わる選択肢として2025年7月から提供する。複数台の物理サーバー環境でKVMの仮想サーバーを効率的に集約・運用するために必要な管理機能を同社が開発している。ホストOSはRed Hat Enterprise Linux(RHEL)などに対応する。価格は未定。
NTTデータグループの「Prossione Virtualization(プロッシオーネ バーチャライゼーション)」は、Linuxカーネル標準のサーバー仮想化機構であるKVM(Kernel-based Virtual Machine)を利用したサーバー仮想化プラットフォームである。VMware vSphereに代わる選択肢として2025年7月から提供する。ホストOSとして、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)その他の対応を予定している(図1)。

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拠点や部門に分散するサーバーを複数台の物理サーバーで集約するための、仮想サーバー運用管理機能「Prossione Virtualization Manager」をNTTデータが新規に開発している。物理サーバーと仮想サーバーを一元的に管理可能である。仮想サーバーが利用するストレージとネットワークの設定もできる。管理機能は、Web画面またはWeb API(REST API)経由で利用する。
「(Linuxカーネルの)素のKVMでは大量の仮想サーバーを管理する機能が不足しているので、管理機能を自前で開発した。VMware vSphereに肉薄するところまで機能を追加している」(NTTデータの冨安寛氏、写真1)という。備える機能の数を○×表で比べたら少ないが、「物理サーバー3~5台程度で運用するユーザーが必要とする機能の80%くらいはカバーしている」(同社)としている。
例えば、稼働中の仮想サーバーを別の物理サーバーに移動するライブマイグレーションや、サイジングのために物理/仮想サーバーのリソース利用率を可視化する機能などが備わっている(図2)。ほかにも、特定の仮想サーバーによるリソース専有を防ぐQoSや、応答のない仮想サーバーを再起動して業務を継続するHA(高可用性)などの機能も提供する。

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HA機能において、物理サーバーが故障している場合は、該当の仮想サーバーを別の物理サーバー上で再起動して復旧する。本番用や開発用など用途ごとに物理サーバーをグループ化しておき、可用性の要件に応じて仮想サーバーの配置を制御するといった運用も可能である。
●Next:VMwareユーザーの意向と、Prossione Virtualizationの提供計画
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