デジタル庁は2025年10月2日、同庁職員向けの生成AI利用環境「源内(げんない)プロジェクト」に、米OpenAIの大規模言語モデル(LLM)を追加する方針を表明した。2025年8月時点で「Amazon Nova Lite」「Claude 3 Haiku」「Claude 3.5 Sonnet」の3モデルを選択でき、そこにOpenAIを追加する。
デジタル庁は、同庁の全職員がアクセスする生成AI利用環境「源内(げんない)プロジェクト」を内製開発し、2025年5月から運用している。「国会答弁検索AI」や「法制度調査支援AI」など、行政実務を支援する複数のアプリケーションを提供している(図1)。
図1:デジタル庁の職員が利用している生成AI利用環境「源内(げんない)」の画面と概要(出典:デジタル庁)拡大画像表示
2025年5月~7月の3カ月間で、全職員の約8割、約950人が源内を利用し、通算利用回数は6万5000回以上に上る。利用した職員1人あたり平均70回という頻度で活用されている。チャット、文章生成、要約、校正、画像生成、翻訳などの汎用アプリや個別の行政実務に特化したAIアプリを使っている(図2)。
図2:デジタル庁の生成AI利用環境「源内」で使える生成AIアプリケーションの例(出典:デジタル庁)拡大画像表示
源内で用いる大規模言語モデル(LLM)は、2025年8月時点で、米AWSの「Amazon Nova Lite」と米Anthropicの「Claude 3 Haiku」「Claude 3.5 Sonnet」の3モデル。今回、これらに加えて、米OpenAI(日本法人:OpenAI Japan)との協業の下、同社のLLMおよび生成AIサービスを選択できるようにする。
デジタル庁は、OpenAIとの協業で、LLM/サービスの利用のほか、公共分野での生成AIの活用モデルを共同で検討し、ユースケースの創出を目指す。OpenAIは、ISMAP(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)認証の取得なども前向きに検討するとしている。
デジタル庁は現在、内製開発による政府のAI基盤「ガバメントAI」の具体化に向けて、源内の各府省庁への展開を進めている。情報システムのセキュリティを確保したうえで、源内を利用する府省庁が業務で活用できるように取り組んでいく。

































