[調査・レポート]

2022年、AIを業務に利用している企業は35%、前年よりも13%増加─米IBMのグローバル調査

2022年7月12日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

日本IBMは2022年7月12日、米IBMのグローバル調査レポート「世界のAI導入状況 2022年(Global AI Adoption Index 2022)」の日本語版を発表した。同調査によると、2022年のAI導入率は35%で、2021年よりも13ポイント増加した。また、AIの導入を検討中の企業は42%に上る。「AIがより利用しやすく、実装しやすくなってきていることで、AIの成長が加速している」(同社)という。

 日本IBMが、グローバル調査レポートの日本語版「世界のAI導入状況 2022年(Global AI Adoption Index 2022)」を発表した。自社のIT関連の意思決定について何らかの影響力を持つ7502人の経営層を対象に、2022年3月30日から4月12日にかけて調査した。調査作業は、米IBMの委託によって米モーニングコンサルタント(Morning Consult)が実施した。

 同調査では、35%の企業が「AIを業務に利用している」と回答。2021年と比べて13ポイント増加している。AIの導入を検討中の企業は42%に上る。企業規模別では、大企業は中堅企業よりもAIを利用する割合が高いことが分かった。

 国別では中国とインドの導入率が高かった。これらの国のITプロフェッショナルの60%近くが「自分の組織がすでにAIを積極的に利用している」と回答した。一方、韓国は22%、オーストラリアは24%、米国は25%、英国は26%にとどまった。

 産業別では、金融サービス、メディア、エネルギー、自動車、石油、航空宇宙などは、「自社がAIを積極的に導入している」と回答した割合が高い。一方、小売、旅行、政府/連邦サービス、医療などは割合が低かった。

 現在、企業はさまざまなユースケースにAIを適用している。同調査によると、最も導入が進んでいる分野は、IT運用、セキュリティや脅威検知、業務プロセスの自動化などの領域である。「3分の1の企業が、IT運用にAIを活用する「AIOps」によって主要なプロセスを自動化。アプリケーション性能を維持しながら、リソースの割り当てを効率化している。また、AI導入企業の3分の1は、マーケティング、セールス、カスタマーケアなどの領域に自然言語処理などを適用している」(同社)。

 AI導入の最大の障壁について日本IBMは、スキルギャップを挙げる。一方で、AIは同時に、スキルの高い従業員の生産性を自動化などによって高めている。学習支援などによって、組織におけるスキル不足への対処にも役立っている。実際に、約4社に1社は、労働力不足やスキル不足を理由にAIを導入している。世界のITプロフェッショナルの30%は「新しいAIや自動化ツールによって自社の社員が時間を節約している」と回答している。

 AIの信頼性については、AIを実装している企業ほど信頼性に価値を置く傾向があるという。AIを導入済みの企業のITプロフェッショナルは、AIの導入を検討しているだけの企業のITプロフェッショナルよりも、「AIの説明可能性に価値を置いている」と回答する割合が17%高かった。

 ビジネスリーダーの過半数が「信頼できるAIが重要である」と回答している一方で、過半数の組織が「バイアスの削減」(74%)、「パフォーマンスのばらつきやモデル・ドリフトの追跡」(68%)、「AIによる決定の説明可能性の確保」(61%)など、AIの信頼性と責任を保証するための重要な措置を講じていないことが分かった。

関連キーワード

IBM / ユーザー調査 / マシンラーニング / ディープラーニング

関連記事

トピックス

[Sponsored]

2022年、AIを業務に利用している企業は35%、前年よりも13%増加─米IBMのグローバル調査日本IBMは2022年7月12日、米IBMのグローバル調査レポート「世界のAI導入状況 2022年(Global AI Adoption Index 2022)」の日本語版を発表した。同調査によると、2022年のAI導入率は35%で、2021年よりも13ポイント増加した。また、AIの導入を検討中の企業は42%に上る。「AIがより利用しやすく、実装しやすくなってきていることで、AIの成長が加速している」(同社)という。

PAGE TOP