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壊れやすい貨物の輸送を追跡し、保険手続きを円滑化─NTTデータとSAPのサプライチェーン保険管理「Connected Product」

2022年7月13日(水)IT Leaders編集部

NTTデータとSAPジャパンは2022年7月12日、両社が共同開発したサプライチェーン保険管理システム「Connected Product」を発表した。輸送中の貨物の位置と輸送状態を監視・追跡し、貨物保険の請求などの手続きを効率化する。貨物の中でも、ソーラーパネルなどの壊れやすいもの、ワインやオリーブオイルなどバルク輸送の液体、チーズや医薬品またワクチンなどの温湿度管理が必要な品物の追跡で効果を発揮する。同年9月まで実証実験を行った後、NTTデータが保険・物流業向けに販売する予定である。

 NTTデータとSAPジャパンが発表した「Connected Product」は、輸送中の貨物の位置と輸送状態を監視・追跡し、貨物保険の請求などの手続きを効率化するサプライチェーン保険管理システムである。

 NTTデータによると、サプライチェーンでの保険金請求の70%以上は輸送時の破損によるものだという。Connected Productの輸送監視・追跡では、貨物の中でも、ソーラーパネルなどの壊れやすいもの、ワインやオリーブオイルなどバルク輸送の液体、チーズや医薬品またワクチンなどの温湿度管理が必要な品物の追跡で効果を発揮するとしている。

 「現在のグローバルバリューチェーンは、地政学的リスクの高まりや貿易規模の拡大、材料調達の不確実性により一層複雑化している。輸送管理の不備による被害額は数千億円規模に上り、輸送中の損傷要因やインシデント発生タイミングの特定は極めて困難である」(両社)という背景から共同開発に至ったという。

 図1は、Connected Productの仕組みと活用のイメージである。IoTセンサーを用いて温湿度などの輸送状況に関するデータをリアルタイムに監視し、輸送中の温湿度の変化や貨物の傾きなどの情報をリアルタイムに関係者に送信する仕組みを持つ。サプライチェーン全体を可視化し、貨物の破損や遅延に対して迅速に対応できるようにする。これにより、貨物保険への加入や保険金の請求といった手続きの負荷を軽減する。

図1:Connected Productの活用イメージ(出典:NTTデータ、SAPジャパン)図1:Connected Productの活用イメージ(出典:NTTデータ、SAPジャパン)
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 SAPジャパンの物流向け荷物追跡アプリケーション「SAP Business Network for Logistics, Global Track and Trace Option」をベースに、NTTデータのスマート保険ポリシー管理システムと合わせて拡張開発した。輸送状況をリアルタイムにエンド・ツー・エンドで監視し、貨物に影響を及ぼす可能性がある変動要因を捉えたうえで、貨物が事前に定められた条件で輸送されていない場合については、自動的に保険ポリシーを適用するといった運用が可能になる(画面1)。

画面1:貨物の追跡とインシデント監視が行える(出典:SAPジャパン 公式YouTubeチャンネル)
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●Next:欧州で開始した実証実験の内容

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