一般社団法人不動産テック協会は2022年8月8日、「不動産テック カオスマップ第8版」を発表した。カオスマップからは、不動産テックの領域において、コロナ禍で変化した顧客対応や働き方に対応すべく、VR/ARやスペースシェアリングなどの技術・サービスが台頭していることがうかがえる。
一般社団法人不動産テック協会は、不動産とテクノロジーの融合・促進、情報セキュリティの調査、データベースに関するルール策定、海外不動産テックサービスの状況調査などを行う業界団体である。同協会は、不動産テック(PropTech〈Property Tech〉やReTech〈Real Estate Tech〉とも呼ばれる)を、「テクノロジーの力によって、不動産に関わる業界課題や従来の商習慣を変えようとする価値や仕組み」と定義している。
同協会は、不動産テックに携わるサービス事業者やITベンダーのポジションを俯瞰した「不動産テック カオスマップ」を公開している。年1回の調査を行い、事業者/ベンダーを不動産テックの分野別にカテゴライズしたものだ。
今回公開された最新版となる第8版(図1)では、仲介業務⽀援、管理業務⽀援の両カテゴリーについて細分化している。また、メディアのみのサイト、集客・送客サイト・⾃社物件サイト、サービス内容の変化により該当しなくなったサービス、運⽤が1年間なされていないサービスをカオスマップから除外している。
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第8版に示された不動産テックサービスの傾向は次のとおりである。
●コロナ禍によるオンライン対応を追い風に、VR/ARサービスが増加
●場所に縛られない働き方が普及し、スペースシェアリングが大幅に増加
●クラウドファンディングは、新規参入とサービス停止が共に増えて入れ替わりが激しかったが、全体として増加
●リフォーム/リノベーションサービスは、B2Cに加えB2Bのマッチングも
●価格可視化・査定は、プレーヤーが減少したがB2B向けのAPI提供企業が増加
●業務支援は、機能追加やサービス間機能連携が増え、大手企業も参入
図2は、不動産テック カオスマップのカテゴリー変遷を示している。なお、過去のカオスマップおよび掲載ガイドラインは、不動産テック協会のWebサイトで確認できる。
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