[事例ニュース]

NEC、建設現場映像から複数担当者の作業内容をリアルタイムに認識する技術を開発

大和ハウス工業の建設現場での検証で、各作業時間を誤差10%以内で推定

2022年11月28日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

NECは2022年11月28日、建設現場などに設置したカメラの映像から、複数の作業担当者のそれぞれ異なる作業内容をリアルタイムで高精度に認識する技術を開発したと発表した。大和ハウス工業の建設現場で行った検証では、「転圧」「根切・埋戻」「コンクリート打設」「鉄筋組み」などの作業内容を正確に認識し、実際の各担当者の作業時間を10%以内の誤差で推定することに成功した。NECは今後、建設に加えて、製造・物流・小売など各種の現場作業に対して同技術の検証を進め、2023年度の実用化を目指す。

 NECは、建設現場などに設置したカメラの映像から、複数の人物のそれぞれ異なる作業内容をリアルタイムに認識する技術を開発した。同技術を活用することにより、建設現場などの多数の作業者の作業内容を時系列で管理することが可能になる。業務フローの効率化や、人員リソースの最適配置などが期待できるとしている(写真1)。

写真1:建設現場における多数の作業者の作業内容を認識する(建設現場を模擬してNECが独自に撮影)(出典:NEC)
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 同技術では、人物や物体の視覚的特徴に加えて、人物の姿勢、道具や重機など物体の種別、人物や物体の位置、周辺環境の視覚的特徴など、表現形式が異なる複数の特徴の間の関係性を解析する(図1)。さらに、作業内容を認識するうえで、どの特徴が重要になるかを、ディープラーニング(深層学習)で重み付けする。

図1:人物の姿勢、道具や重機などの物体の種別、人物や物体の位置、周辺環境の視覚的特徴など、表現形式が異なる複数の特徴の間の関係性を統合的に解析して作業内容を認識する(出典:NEC)
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 大和ハウス工業と共同で、2022年3月から5月にかけて、戸建て住宅の建設現場で検証した。この結果、「転圧」「根切・埋戻」「コンクリート打設」「鉄筋組み」などの複数の作業内容を正確に認識し、実際の現場作業者による各作業の作業時間を10%以内の誤差で推定することに成功した。

 「建設現場のように、多くの人が行き交い、状況が大きく変化する環境においては、作業者の作業内容や時間をデータ化することは困難である。また、従来の一般的な行動解析技術の場合、人物や物体の関係性を解析する際に、人物や物体の視覚的特徴だけを用いており、認識できる行動や状況が限定的だった」(NEC)

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