富士通は2022年12月23日、社会課題向けHPC/デジタルアニーラ/AIクラウドサービス「Fujitsu Computing as a Service」(CaaS)のGPUリソースとして、産業技術総合研究所(産総研、AIST)のAI向けスーパーコンピュータ「AI橋渡しクラウド」(AI Bridging Cloud Infrastructure、ABCI)を利用すると発表した。ABCIのGPU計算リソースを利用したアプリケーションをCaaSサービスとして2023年4月から提供する。このための協議を産総研との間で進めている。
富士通の「Fujitsu Computing as a Service」(CaaS)は、社会の課題を解決することを目的に、計算資源とアプリケーションをクラウド型で提供するサービスである。スーパーコンピュータを活用したシミュレーションなどの「HPC」(ハイパフォーマンスコンピューティング)や、量子コンピューティングに着想を得た技術によって組み合わせ最適化問題を高速に解く「デジタルアニーラ」、マシンラーニング/ディープライーニングなどの「AI」、といった用途と機能をカバーする。
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2023年4月をめどに、CaaSが利用する計算資源を拡張し、浮動小数点演算を担うGPUリソースとして、産総研のAI用途向けスーパーコンピュータ「AI橋渡しクラウド」(ABCI)を利用する(図1、関連記事:産総研、AI研究用スパコン「AI橋渡しグリーンクラウド基盤」を富士通に発注)。ABCIのGPU計算リソースを利用したアプリケーションを、CaaSのサービスとして提供する。現在、このための協議を、富士通と産総研との間で進めている。
ABCIのGPUリソースとCaaSのアプリケーションを提供することで、創薬や材料解析、物流、自然災害シミュレーションなど、より幅広い分野で社会課題の解決を実現するとしている。CaaSのサービスとしてABCIのGPUリソースを使えるようになるため、専門技術者を抱えていない企業でも大規模なGPUクラスタを活用できるようになるとしている。