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UBE、宇部ケミカル工場でカーボンフットプリント算定システムを運用、算定時間を95%削減

2023年1月17日(火)IT Leaders編集部

大手総合化学メーカーのUBE(本社:東京都港区、山口県宇部市)は、宇部ケミカル工場で製造する一部製品を対象に、CFP(カーボンフットプリント)を算定するシステムの運用を開始した。2023年1月から順次、同システムで算定したCFPデータを顧客に提供し、する。UBEの顧客が社会から求められる、温室効果ガス排出量の迅速な把握・開示に寄与する。UBEと共同でシステムを開発したNTTデータが2023年1月16日に発表した。

 1897(明治30)年に創業し、126年の歴史を持つ大手総合化学メーカーのUBE(2022年4月に宇部興産から商号変更)。同社は、宇部ケミカル工場で製造する一部製品を対象に、CFP(カーボンフットプリント)を算定するシステムの運用を開始した。

 製品ごとに複数の種類があり、かつそれぞれが多段階を経る化学メーカー特有の製造プロセスを反映したCFP算定ロジックを実装。2023年1月から順次、同システムで算定したCFPデータを顧客に提供する。これにより、UBEの顧客が社会から求められる、温室効果ガス排出量の迅速な把握・開示に寄与する(図1)。

図1:CFP算定システムの概要(出典:NTTデータ)
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 製造現場のExcelデータをインプットデータとして活用する。Excelや専用システムで管理しているマスターデータやトランザクションデータに手を加えない形でシステムに取り込み、システム側で変換・集計・計算する。

 こうして、最終製品別のCFPを数分で算出し、工場など現場の負担となっていた製品別CFP算定にかかる時間を従来比で95%の削減を図る。算出した製品別CFPは、ダッシュボード上で顧客軸、製品軸など複数の切り口で可視化される(画面1)。

画面1:CFP算定システムの画面(出典:NTTデータ)
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 システムの要素として、セールスフォース・ジャパンのBIツール「Tableau」やETLツール「Tableau Prep」を利用する。アジャイル開発方法論を用いて、プロジェクト開始から3カ月で構築した。UBEとの共同開発に携わったNTTデータによると、特定の製品群を対象としたアプローチによって短期導入が可能だという。

 なお、NTTデータは、今回のプロジェクトのような製品別CFP可視化関連のビジネスに注力している。また、製品別のCFP管理だけではなく、組織別の温室効果ガスを可視化するシステム「C-Turtle」を用いたサービスなども提供する。TableauなどのSaaSの活用を積極的に進め、2025年度末までに20件以上の受注を目指すとしている。

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