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トヨタ自動車の田原工場、Power Platformで市民開発、保全作業管理アプリで月間95時間を削減

2023年2月15日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

トヨタ自動車の田原工場(愛知県田原市)は、ローコード/ノーコード開発ツール「Power Platform」を活用した市民開発を活発に行っている。例えば、保全担当者の作業場所と作業内容を記録する保全作業管理アプリの効果として作業1件あたり9分、月あたり約95時間を削減した。別部門に同アプリを展開することで、月間削減時間は合計約475時間に達する予定である。同社は市民開発について「実務を知っているメンバーみずからアプリを作ることで、必要なアプリを作れることがメリット」と評価している。Power Platformを提供する日本マイクロソフトが2023年2月15日に発表した。

 トヨタ自動車の田原工場は、ローコード/ノーコード開発ツール「Power Platform」を活用した市民開発を活発に行っている。例えば、保全担当者の作業場所と作業内容を記録する保全作業管理アプリでは、これまで詰所のボードに記録していた作業場所や内容を、すべてアプリで入力できるようにした。アプリで記録が終われば、詰所に戻ることなく次の現場に向かえる。

 保全作業管理アプリの効果として、移動や記入の時間などを含め、1件あたりの作業時間を9分短縮できたと試算している。アプリを活用している第2鋳造課では毎月平均635件の保全作業が発生していることから、月間の削減時間は約95時間になる。エンジン製造部内の5課で同アプリを展開することで、月間削減時間は合計約475時間に達する見込みである。

 現場の安全性や危険に関する気づきを事前に察知して改善する「ヒヤリハット」提案の管理も、紙での運用からアプリへと移行。紙に書かれたものを転記してまとめ、蓄積したものを分析するといった一連の作業は大変だが、Power BIによって集計を自動化した。期間を指定して分析することで、どの部分でヒヤリハット事案が起こりやすいか、ケアが十分にできているかも把握しやすくなったという。

 同社は従来、本社の情報システム部門にシステム開発を依頼していた。現場の実務を知らないシステム部門に背景を説明して要件を定義したうえで、長期間かけてシステムが完成するのを待っていた。これを市民開発に変えた。

 市民開発では、現場を知る担当者が、自分の課題を解決するアプリを、他人に頼ることなく開発している。「アプリを1つ作るだけで、業務が変わっていることを実感できる。うまくいくと次々とアプリを開発したくなる。現場では1カ月に3つのアプリが誕生するほどになった」(トヨタ自動車)。

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