[事例ニュース]

ユアサ商事、各取引先とのEDIをインターネットEDIに刷新して統合、7時間の処理が5秒に

2023年2月24日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

ユアサ商事(本社:東京都千代田区)は、NTT東西のINSネット(ISDN)が2024年1月に終了することを受け、各取引先とのEDI(電子データ交換)システムをインターネットEDIへと移行した。データ・アプリケーション(DAL)のEDIアプリケーション「ACMS Apex」を採用し、現在、取引先46社のうち7社が新システムでのEDIに移行、8社が通信テスト中である。2023年9月の移行完了を目指して統合を進めている。DALが2023年2月24日に発表した。

 産業機器、工業機械住設・空調機器などの専門商社であるユアサ商事は、NTT東西のINSネット(ISDN)が2024年1月に終了することを受け、EDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)システムをインターネットEDIへと移行した。

 データ・アプリケーション(DAL)のEDIアプリケーション「ACMS Apex」を採用し、現在、取引先46社のうち7社が新システムでのEDIに移行、8社が通信テスト中である。2023年9月の移行完了を目指して統合を進めている(図1、関連記事DAL、データ連携ソフト新版「ACMS Apex V1.6」、起動時間を半分、計画メンテナンスを容易に)。

図1:ユアサ商事が導入したインターネットEDIシステムの概要(出典:データ・アプリケーション)
拡大画像表示

 インターネットEDIへの移行にあたって、ACMS Apexと合わせて、DALのデータ変換/加工ツール「RACCOON」を採用した(関連記事データ変換/加工ツール新版「RACCOON 2.5」、ストアドプロシージャの呼び出しが可能に)。

 ユアサ商事がこれまで運用していたEDIシステムは、下記のような複数の課題を抱えていた。

●通信プロトコルごとにEDI製品が異なり、現場では複数の画面を見る必要があった。
●データ変換や加工は、リプレースを検討中のメインフレーム上のプログラム開発によって実現していた。
●オンプレミス運用のため、インフラ環境を5年周期で見直す必要があり、システムの選定に工数をとられていた。
●本番環境がテスト環境を兼ねており、本番運用の合間を見てテストを実施していため、設定を戻し忘れるリスクがあった。

 インターネットEDIの構築期間は3カ月で完了した。移行済みの取引先7社では、通信回線がインターネットになって帯域が広がったことで、処理速度の向上と運用現場の効率化といった効果を確認できた。また、EDIシステムをACMS Apexに統合したことで、多重同時並行での受信も可能になり、これまで約7時間かかっていた処理が5秒で終了するようになったという。このほか、既存のEDIでは受信できるデータ量の制約から取引先と通信時間を調整する必要があったが、この作業もなくなった。

 「EDIを統合したことで、見るべき管理画面が1つになって運用負荷が減った。属人性が解消され、チーム全体で管理にあたれるようになった。また、本番環境とは別にテスト環境を確保できたことで、『今日がダメでもまた明日』というスピード感で取引先との疎通テストが行え、運用効率化を図るためにいろいろと試行錯誤できるようになった」(ユアサ商事)

 ユアサ商事は今後、小規模な取引先向けに、ACMS Apexのオプションであるファイル交換ツール「ACMS Web/deTrade II」の導入を検討している。Webブラウザを介したファイルのダウンロード/アップロードによってEDIを実現する簡易EDIシステムである。また、ERPやSFA(営業支援)など他システムとの連携も視野に入れる。

関連キーワード

ユアサ商事 / EDI / Web-EDI / INSネット / ISDN / レガシーマイグレーション / 商社 / データ・アプリケーション / B2B / ACMS

関連記事

トピックス

[Sponsored]

ユアサ商事、各取引先とのEDIをインターネットEDIに刷新して統合、7時間の処理が5秒にユアサ商事(本社:東京都千代田区)は、NTT東西のINSネット(ISDN)が2024年1月に終了することを受け、各取引先とのEDI(電子データ交換)システムをインターネットEDIへと移行した。データ・アプリケーション(DAL)のEDIアプリケーション「ACMS Apex」を採用し、現在、取引先46社のうち7社が新システムでのEDIに移行、8社が通信テスト中である。2023年9月の移行完了を目指して統合を進めている。DALが2023年2月24日に発表した。

PAGE TOP