京セラは、海外に点在する拠点間でデータを自動で連携するシステム基盤をノーコードで開発した。これにより、年間で約1400時間相当の業務工数を削減した。また、これまで拠点ごとに独自に行っていた情報管理から脱却し、製造拠点を横断したマスターデータ管理(MDM)を実現した。EAI/ESBソフトウェア「ASTERIA Warp Core」を提供するアステリアが2023年5月18日に発表した。
京セラは、海外に点在する拠点間でデータを自動で連携するシステム基盤をノーコードで開発した(図1)。これにより、年間で約1400時間相当の業務工数を削減した。さらに、これまで拠点ごとに独自に行っていた情報管理から脱却し、製造拠点を横断したMDM(マスターデータ管理)を実現した。企業データ連携(EAI/ESB)ソフトウェアとして「ASTERIA Warp Core」を使っている。
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京セラの機械工具事業本部は従来、ExcelやAccessを活用した各拠点独自のシステムで設計・製造データを管理・運用していた。このため、拠点間での情報管理やデータ統合がスムーズにできていなかった。この課題を解決するため、kintoneで設計・製造データを集約する「拠点横断情報集約データベース」を構築した。
海外に点在する拠点間でのシステム連携やデータ統合の手段としては、ノーコードでシステム連携基盤の構築やデータ統合が可能なWarp Coreを採用した。100種類以上のアプリやサービスと連携するアダプタを使って、クラウドサービスや基幹システムなど各種の場所に格納したデータと連携可能である。
Warp Coreを使うことで、プログラミング経験のない社員が、各種のアプリケーションを開発できた。例えば、全社基幹システムと拠点横断情報集約データベースを統合した「統合データベース」やスケジュール実行機能、RPAツールと連携したデータ自動連携基盤などである。これにより、年間で約1400時間に相当する業務工数を削減した。
なお、ASTERIA Warpは、異なるシステム同士のデータ連携をノンプログラミングで行えるソフトウェア。各種のアダプタを介して業務アプリケーションやデータベースサーバーなどに接続し、これらのデータをルールに基づいて変換し、外部システムに引き渡せる。ジョブフローを定義して実行するバッチスケジューラ機能も備えており、各種の条件に合わせてバッチジョブを駆動可能である(関連記事:データ連携ソフト「ASTERIA Warp」新版、コネクション呼出元などを表示して開発を容易に)。