オフィス文具・事務用品メーカーのプラス(本社:東京都港区)は、会計システムを刷新した。旧システムは陳腐化し、周辺業務で必要な機能はExcelやAccessを使い、データはCSVでダウンロードして個別に加工していた。スーパーストリームの会計ソフトウェア製品群「SuperStream-NX」を導入し、支払処理の工数を4分の1に減らした。スーパーストリームが2023年6月20日に発表した。
オフィス文具・事務用品メーカーのプラスは、スーパーストリームの「SuperStream-NX」製品群を導入して会計システムを刷新した(図1)。同製品群の財務・管理会計、支払管理、手形管理、電債オプションを導入している。財務会計部門のほか、PL/BSを閲覧する各部の管理職や各カンパニーの管理部、業務のアウトソーシングを請け負うパートナー企業など約400~500人が使う。
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プラスは従来、10年にわたって旧システムの財務会計パッケージを運用してきた。同社によると、旧システムは陳腐化が進み、周辺業務で必要な機能はExcelやAccessを使い、データはCSV(カンマ区切り形式)でダウンロードして個別に加工していたという。例えば、支払処理では、取引先の数に応じて支払の種類も多いことから、会計ソフトからデータを抽出してAccessで処理した後に再び会計ソフトに戻すなど、手間のかかる作業が発生していた。
可能な限りパッケージ内で処理が完結する仕組みを目指し、システムを刷新した。新会計ソフトウェアの選定にあたっては、年間で1500万件のデータを夜間バッチで処理する負荷に耐えられることを前提に100を超えるパッケージを調査。この中で、データベースのレイアウトが公開されておりデータベース連携の仕組みを構築しやすいことなどを評価し、SuperStream-NXを採用した。周辺システムとの連携や支払処理の自動化など新機能も開発しやすいと判断したという。
導入の効果として、以前は2人で作業していた支払処理を、およそ4分の1にまで圧縮した。今は1人で作業できるようになり、作業時間も大きく減った。また、以前は各カンパニーのデータが揃わないと処理できず3時間ほどかかっていた夜間バッチの処理が、30分ほどで終わるようになった。
さらに、これまでルーチンとして外部に委託していた業務を月30時間ほど削減した。必要な帳票を自動的にPDF化する仕組みも構築した。以前は伝票を出力すいる処理が個別に発生していたが、今はアップロード後に自動的にPDFで出力するようにした。
仕訳情報の処理には、セゾン情報システムズのデータ連携ソフトウェア「DataSpider Servista」を活用している。仕訳情報は、SuperStream-NXに直接入力するものもあるが、各カンパニーで発生するデータについては、DataSpider Servistaを使って基幹システム側からテキスト形式で夜間バッチで連携させている。
支払処理のチェックにもDataSpider Servistaを使う。支払方法は、銀行振込や紙の手形、電子手形など計7種類あり、多い場合は2000件ほどの支払処理が発生する。これに対し、DataSpider Servistaで検証シートを自動生成し、人的ミスの発生を防いでいる。