プロセスマイニング プロセスマイニング記事一覧へ

[Sponsored]

[プロセスマイニング コンファレンス 2023 LIVE]

10年間で事業利益を約10倍に拡大! 少数精鋭で業績をあげる組織の基幹システム構築方法とは?

2023年9月4日(月)

10年間で事業利益を約10倍に拡大させ、新聞等で掲載されるなど注目を集めている専門商社の一村産業。従業員数130名ほどの同社は、少数精鋭でフレキシブルに生き抜くこと、付帯業務をなくし付加価値業務にシフトすること、時代の変化に柔軟に対応することをコンセプトに、基幹システムの刷新に取り組んでいる。2023年6月30日にオンライン開催した「プロセスマイニングコンファレンス 2023 LIVE」(主催:インプレス IT Leaders)のセッションに、同社の辻村昌之氏と、その取り組みをサポートするハートコアの川田哲也氏が登壇。基幹システム刷新を進める中でのマイニングの活用事例や、目指すシステム像を解説した。

タスクマイニングとプロセスマイニングを組み合わせ、すべてのログで業務を可視化

 タスクマイニングとプロセスマイニングを組み合わせ、すべてのデータを業務ログデータ活用基盤で蓄積し、可視化することで、企業の売上拡大や業務改革、意識・働き方改革の取り組みをサポートしているハートコア。川田氏は、同社のサービスの特徴と、同社が考えるDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みについて、こう説明する。

写真1:ハートコア株式会社 DX本部 営業部 部長 川田哲也氏写真1:ハートコア株式会社 DX本部 営業部 部長の川田哲也氏

 「2018年からプロセスマイニングのサービスを日本で開始しましたが、当時はプロセスマイニングに適したデータがないという企業様も多くいらっしゃいました。そこで、PCのローカル業務を分析するタスクマイニングツールを組み合わせることで、幅広い業務課題を可視化できるサービスを提供してきました。現在は、可視化だけでなく、BPR(業務変革)、ERP(基幹システム)導入高度化、グランドデザイン設計など活用シーンも広がってきています。タスクマイニングとプロセスマイニングは今後、内部統制やSDGs、AIとの統合、ハイパーオートメーションなどの分野でも活用されていくと考えています」(川田氏)

 そのハートコアのサービスを活用して、業務改革やDX推進に取り組んだのが、一村産業だ。同社は、1894年に創業し、東レグループにおいて環境に優しいテキスタイルと化成品のMONO創り商社として事業を展開する。テキスタイル事業では、環境配慮型素材の統合ブランド「イマエコ」、高耐久ストレッチ素材「ラクストリーマ」、高通気・高物性素材「アミド」などを手がけ、化成品事業では、ポリスチレンフォーム(発泡スチロール)を主力商品として、包装資材、食品資材、住宅資材、産業資材などを展開。売上高は約200億円(2023年3月期)、従業員133名(2023年4月1日現在)だ。

基幹システム構築のポイントは現状の可視化と事実の把握

 一村産業の2014年度の営業利益は約1億円。それ以前は2億円前後あったが、右肩下がりに推移して「ジリ貧で何とかしなければならない状況」(辻村氏)だったという。2014年からさまざまな改革に取り組み、2022年度はおよそ10倍の約11.1億円になった。

写真2:一村産業株式会社 システム部 部長代理 辻村昌之氏写真2:一村産業株式会社 システム部 部長代理の辻村昌之氏

 「2014年からの全社的な取り組みのなかで、重要なテーマになったのが労働生産性をいかに上げるかです。付帯業務をやめて付加価値業を増やすことにフォーカスしなければ、少数精鋭で生き残る会社にはなれないと考え、働き方改革に取り組みました。テレビ会議やPBXの刷新、営業プロセスの標準化や可視化、コンパクトコラボレーションオフィスへの変革、RPA/BPO/システム開発による入力業務のゼロ化などに取り組んできました。2020年には『NEW ICHIMURA Vision 2022』を策定し、社員が幸せを感じ、成長できる会社を目指しました(図1)」(辻村氏)

図1:労働生産性の向上、付帯業務をやめて付加価値業を増やすことにフォーカスした一村産業の働き方改革プロジェクトのロードマップ図1:労働生産性の向上、付帯業務をやめて付加価値業を増やすことにフォーカスした一村産業の働き方改革プロジェクトのロードマップ(出典:一村産業)
拡大画像表示

 辻村氏は、経営企画室、人事総務部、経営管理部などを兼務し、2021年からはシステム部も兼務して、全社的な改革をリードしてきた。DXについての考え方についてこう話す。

 「現場の問題解決を図るのがIT化とすれば、経営課題の解決を図るのがDXと定義しています。IT化ではシステムでムダな作業を減らしますが、DXではシステムを経営戦略に活かすことが重要になります。社員からのボトムアップだけでなく、経営からのトップダウンも重要です。DXを推進し成果を出すには経営者が経営戦略を盛り込むことが重要です」(辻村氏)

 そこで経営者向けに、システム構築におけるDX推進の重要性についての説明会を開催して理解を得る取り組みを推進する一方、グランドデザインで全社合意を得ることに取り組んだ。あわせて、ポイントになったのが、現状を可視化して、事実を把握する取り組みだ。

マイニングツールで事実確認し対応すべき点を明確に

 現状の可視化と事実の把握のために採用したのが、プロセスマイニングツールとタスクマイニングツールだ。

 「業務プロセスの可視化と個人の仕事内容の可視化に、同時に取り組みました。可視化することで、事実がわかり、本当に実施すべき改善ポイントが明確になり、経営者や社員の納得につながります。タスクマイニングツールとしてCONTROLIOを、プロセスマイニングツールとしてmyInvenioを採用しました(図2)」(辻村氏)

図2:プロセスマイニングツールとタスクマイニングツールで現状を可視化し、実施すべき改善ポイントを明確にする図2:プロセスマイニングツールとタスクマイニングツールで現状を可視化し、実施すべき改善ポイントを明確にする(出典:一村産業/ハートコア)
拡大画像表示

 マイニングツールを導入して明らかになったのは、もっとも時間がかかっている作業はメールの作成や返信、ということだった。平均すると勤務時間7.5時間のうち3時間もメールに時間をかけている部署もあった。次いで多かったのはExcel作業だ。多くの時間を要しているだけでなく、社内には膨大な種類のExcelファイルが存在することもわかった。

 「コピー&ペーストを中心とした転記作業が多く、システムが連携されていない部分も見受けられました。基幹システムはSAPを利用しており、部署によって利用のバラツキがあることや、出荷伝票登録に非常に時間がかかっていることなどがわかりました。同時に問題を可視化することで、どこを自動化すればよいか指針を立てやすくなりました。現場へのヒアリングだけでは忖度や意見で事実がわかりにくくなることがあります。マイニングツールを導入することで、ヒアリングの裏付けやデータによる事実確認ができ、正確な現象を理解し、対応すべき点が明確になったのです」(辻村氏)

成果を出すための行動データ活用に必要となるマイニング

 さらにマイニングデータを社員の気づきのために活用している。

 「マイニングデータとチャットボットと組み合わせることで、社員が気づいていない事柄をプッシュ型で知らせることができると考えています。例えば、労働時間を前週比で計算して知らせたり、利用頻度の高いExcelを通知してシステム化提案につなげたりできます。社員自らが気づきを得ることで、自己改善やチーム改善、意識向上などの改善行動を促すことができると考えています(図3)。一方で、不適切な処理をプッシュ型で通知し、正しい処理に誘導できるとも考えています」(辻村氏)

図3:マイニングデータとチャットボットの組み合わせで、社員に「気づき」を提供し、行動改善を促す図3:マイニングデータとチャットボットの組み合わせで、社員に「気づき」を提供し、行動改善を促す(出典:一村産業)
拡大画像表示

 チャットボットだけでなく、AIや各種システムデータと組み合わせて、「点」の取り組みを「線」や「面」に広げていくことも可能だ。例えば、働き方の提案、業務改革の提案、不正の探知/予防などだ。辻村氏は、マイニングを実施する意味を次のように評価する。

 「成果はそこにいたる行動の積み上げです。その意味では行動を改善することで成果は変わります。当社の場合、プロジェクトの成果を、労働生産性を上げ、付帯業務をなくし、付加価値業務を高めていくことに設定しました。その成果を出すために必要だったのがマイニングでした。マイニングのデータを活用することで、働き方改革を前に進めることができ、正しい改善と正しい評価ができるようになりました。もしマイニングをせずに、人の作業だけを頼りにしていたなら、人にはバイアスがありますから、ミスリードが生まれたり、不満が生まれたりしたはずです」(辻村氏)

 そのうえで辻村氏は、システムとDXの関係について語り、講演を締めくくった。

 「以前のシステムは結果を見るためのツールだったかもしれません。今は分析や予測を行い、成果をいかに出すかを追求するためのツールです。働き方改革だけでなく、組織としてのさまざま取り組みで活用できます。組織としていかに成果を出すか、その取り組みの実態がDXだと考えています」(辻村氏)


●お問い合わせ先

ハートコア株式会社

製品ページ
https://www.heartcore.co.jp/process-mining/
https://www.heartcore.co.jp/task-mining/index.html
お問い合わせフォーム
https://www.heartcore.co.jp/contact/index.html

バックナンバー
プロセスマイニング コンファレンス 2023 LIVE一覧へ
関連記事

トピックス

[Sponsored]

10年間で事業利益を約10倍に拡大! 少数精鋭で業績をあげる組織の基幹システム構築方法とは?10年間で事業利益を約10倍に拡大させ、新聞等で掲載されるなど注目を集めている専門商社の一村産業。従業員数130名ほどの同社は、少数精鋭でフレキシブルに生き抜くこと、付帯業務をなくし付加価値業務にシフトすること、時代の変化に柔軟に対応することをコンセプトに、基幹システムの刷新に取り組んでいる。2023年6月30日にオンライン開催した「プロセスマイニングコンファレンス 2023 LIVE」(主催:インプレス IT Leaders)のセッションに、同社の辻村昌之氏と、その取り組みをサポートするハートコアの川田哲也氏が登壇。基幹システム刷新を進める中でのマイニングの活用事例や、目指すシステム像を解説した。

PAGE TOP