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自動化技術とセットでハイパー・オートメーションを加速!─VUCA時代におけるプロセス改善のあるべき姿とは
2023年7月27日(木)
社内のさまざまな業務をデジタル技術で自動化する「ハイパー・オートメーション」が目前に迫りつつある。そこでの基盤技術と位置づけられるのが、あらゆる業務プロセスと、その効率性や課題をデジタルの力で可視化するプロセスマイニングだ。2023年6月30日にオンライン開催した「プロセスマイニングコンファレンス 2023 LIVE」(主催:インプレス IT Leaders)のセッションでは、日本IBMの齋藤英夫氏がプロセスマイニングの意義や自動化ツールとの連携のあり方、多くの日本企業で求められているナレッジ継承における活用法について解説した。
VUCA時代の適切な変化対応の加速ツール
技術革新を追い風に企業で本格展開に差し掛かりつつあるのが、複雑な業務プロセスをデジタルの力で自動化する「ハイパー・オートメーション」だ(図1)。RPAなどでの特定業務の自動化を“点”、AIによる判断支援を通じた業務プロセスの自動化を“線”とすれば、ハイパー・オートメーションは、社内のあらゆる業務プロセスの効率性と、そこに潜む課題をデジタルの力で可視化し、PDCAサイクルにより継続的に改善する“面”の自動化に位置づけられるだろう。
「その推進で不可欠な要素技術が、業務プロセスの客観把握を業務基盤のシステムログを基に実現するプロセスマイニングです」と指摘するのは、日本IBM テクノロジー事業本部 データ・AI・オートメーション事業部 オートメーション・テクニカル・セールスの齋藤英夫氏だ。
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実はプロセスマイニングはDXにも“効く”。齋藤氏によれば、現状におけるDXの成功率はわずか22%で、成功企業であっても目標達成率は10%ほどだという。原因はほぼ共通しており、結果的にDX後の業務プロセスに何らかの課題を抱えている点だと指摘する。
「しかし、プロセスマイニングにより状況が大きく変わります。エンドツーエンドでのプロセス把握/可視化、改善機会の特定、あるべきプロセスの設計とデジタルでのシミュレーションという一連の作業を通じ、失敗リスクを確実に排除できます」(齋藤氏)
リアルタイムでのログやビジネスイベントのモニタリングにより、業務のボトルネック検出のみならず、プロアクティブな警告なども可能になりつつある。プロセスマイニングはいわば、VUCA時代における変化対応の加速ツールに位置づけられるという。
ハイパー・オートメーションの機能群をワンパッケージ化
ハイパー・オートメーションのいち早い実現を支援すべく、IBMが提供するのが、プロセスマイニング機能と多様なビジネス自動化機能をワンパッケージにした「IBM Cloud Pak for Business Automation」だ(図2)。プロセスマイニングツールの「IBM Process Mining」、RPA/デジタルレイバーの「IBM RPA」、データから洞察を得るための「IBM Business Automation Insights」などの自動化アクセラレータと、ドキュメント処理やワークフロー、意思決定、コンテンツサービスなどのコア業務の自動化機能などで構成され、必要に応じた機能の取捨選択と拡張を通じて、自動化レベルを自社業務に合わせて段階的に高度化できる。
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その中核を担うIBM Process Miningは、組織のあらゆる作業の自動化に必要な以下の機能を網羅的に提供する。
・ディスカバリー:多様なログデータやビジネスデータ、タスクマイニングによるプロセスやPCの操作、ルールの自動的な可視化
・アナリティクス:直感的なフロー図と使い勝手の良いダッシュボードでの分析による、頻度や期間、パフォーマンス、コスト、手戻り、自動化レベルのレビュー
・シミュレーション:可視化したプロセスモデルや履歴データを使用した、高精度のシミュレーション。例えばRPAの導入でどの程度の改善が得られるかなどをシミュレートできる
このうち、IBM Process Miningならではの機能として齋藤氏が紹介したのが、「マルチレベルプロセスマイニング」と「デジタルツインによる継続的なモニタリング」だ。
複数業務を横断するプロセス把握/分析を実現
まず「マルチレベルプロセスマイニング」は、複数システムのプロセスを束ねて、1つのプロセスとして分析を行う機能だ。例えば、「調達から支払い」のプロセスは、「購入」「発注」「請求書発行」「支払い」など、複数の業務から成っているが、従来からのプロセスマイニングでは多くがシステム、つまり業務単位のプロセスの可視化にとどまってきた。対してマルチレベルプロセスマイニングでは、ログと業務との紐づけを通じてプロセスをまたぐ一気通貫のマイニングを実現する。プロセスが複数業務にまたがることでの“隠れた”ボトルネックの検出や、その中での最も効果の高い自動化業務の特定などで力を発揮する。
後者の「デジタルツインによる継続的なモニタリング」におけるポイントは、KPIやコスト、コンプライアンス、自動化の程度、根本原因などの多彩な分析用機能を用いることで、専門知識が乏しくとも容易に現状を把握できる点だ。
「各種シミュレーションも業務の継続改善に大きく貢献します。シナリオを描いたうえでのROIの試算や、RPAなどでの自動化候補先の絞り込みなど、検証の切り口はアイデア次第です」(齋藤氏)
IBMはIBM Process Miningのさらなる機能強化にも余念がない。2023年4月から出荷が開始された最新バージョンでは、システムからのイベントログのリアルタイム収集に向け、IBM MQのメッセージングに新たに対応。また、他社のRPAツールによるRPAボットの生成も実現したほか、タスクマイニング用のエージェントソフトも画面刷新を通じて使い勝手が大幅に高められているという。
熟練者の業務ナレッジの継承にも効果的
一方で、プロセスマイニングというと「業務プロセス革新」にフォーカスが当たりがちだが、実はより身近な課題解決にも大いに活用が見込めるのだという。その代表格として齋藤氏が挙げ、使い方の実例を紹介したのが、日本のモノづくりを支えてきた熟練技術者の退職が進む中での「貴重な業務ナレッジの継承」だ。その全体像は、問題発生時に非熟練者から対話型で状況を聞き取り、適切な対応指示を行う「デジタルワーカー」と、熟練者の暗黙知の自然な取り出しを可能にする「非定型ワークフローシステム」、さらに、それらの適切な連携を支える知識DBやワークフロー、ルールエンジンなどから成る(図3)。こうした仕組みもIBM Cloud Pak for Business Automationの機能の網羅的に活用することで構成可能だ。
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暗黙知が必要とされる最たる場面の1つが、定型ワークフローから外れた問題発生時だ。その報告を受けたデジタルワーカーは、熟練者にアドバイスを求め、そこでの返答を作業者に転送。併せて実行ログとアドバイスの内容を蓄積していく。
その継続を通じて問題の原因と対応法が明らかになり、新たに標準化されたワークフローが追加されることで、熟練者の知見が業務プロセスに埋め込まれる。問題解決のアプローチが複数ある場合には、プロセスマイニングによる実行回数や成功確度などの分析結果から、より望ましいやり方を自律的に決定できる。非熟練者に対するきめ細かなアドバイスは熟練者にとって少なからず手間だが、熟練者のアドバイス数も可視化され、各種の表彰制度などを通じて支援側のモチベーションも高く維持できる。
「熟練作業者と非熟練作業者との業務プロセスの相違点の検出により、暗黙知の掘り起こしが可能です。IBM Process Miningにはそのためのフィルター機能を豊富に用意しています」(齋藤氏)
日本IBMはプロセスマイニングの切り口から、企業が抱える多様な課題に対する地に足の着いた解決を支援する。
●お問い合わせ先
日本アイ・ビー・エム株式会社
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