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日本通運とNEC、フォークリフトの自律搬送・遠隔搬送システムを共同開発

既存のフォークリフトにアクチュエータ、カメラ、センサーを搭載

2023年8月29日(火)IT Leaders編集部

日本通運を中核企業とするNIPPON EXPRESSホールディングス(本社:東京都千代田区)は2023年8月28日、フォークリフトの自律遠隔搬送システムをNECと共同で開発したと発表した。物流における商品の運搬や積み下ろしなど、フォークリフトを活用した倉庫内作業の効率性と安全性を高める。具体的には、搬送ルートをシミュレーションによって自動設計し、安全性を確保しながらフォークリフトを自律搬送・遠隔搬送する。既存のフォークリフトにアクチュエータ、カメラ、センサーなどを搭載することでシステムに対応する。

 日本通運を中核企業とするNIPPON EXPRESSホールディングス(NXHD)は、フォークリフトの自律遠隔搬送システムをNECと共同で開発した。物流における商品の運搬や積み下ろしなど、フォークリフトを活用した倉庫内作業の効率性と安全性を高める(写真1)。

写真1:NIPPON EXPRESSホールディングスとNECが共同で開発した、フォークリフトの自律遠隔搬送システムの利用イメージ(出典:NIPPON EXPRESSホールディングス、NEC)
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 「物流業界においては、少子高齢化による人口減少、2024年のトラックドライバーに対する時間外労働規制の強化といった要因から、トラックドライバーや倉庫内スタッフなどの労働力不足が将来的に見込まれる」(両社)ことを背景に共同開発に取り組んだ。

 自律制御によって入出庫作業を自動化する。これまで人が行っていた搬送ルート設定を、物流倉庫内の映像データを基にシミュレーションを行い、自動で設計する。また、自律制御時にはフォークリフトに搭載したカメラやLiDARセンサーなどで周辺の状況をセンシングし、リアルタイムにルートを見直す。

 その際、NECが開発した「リスクセンシティブ確率制御技術」を活用して、搬送ルート上の障害物や人などへの衝突リスクを把握し、状況に応じてフォークリフトの速度を制限速度内で自動調整する。

 すべてのフォークリフトのカメラ映像やセンサー情報をクラウドに集約して分析・制御する。これにより、複数拠点にある複数台のフォークリフトを倉庫外からも遠隔管理・操作できるようになり、労働力の集約と1人あたりの作業効率の向上に貢献する。

 既存のフォークリフトに、レバー、ハンドル、ペダルを制御するアクチュエータと、カメラやLiDARなどのセンサーを搭載することでシステムに対応し、自律制御と遠隔制御が可能になる。倉庫側にはカメラやセンサーなどの追加設置が不要で、保有しているフォークリフトを有効活用し、早期にシステムを導入可能である。また、物量や需要に応じて作業内容を変更できるように、自律制御、遠隔操縦、搭乗操作を簡単に切り替えられる。

 今後、NXHDは倉庫内での実証実験から得たフィードバックを反映させながら、システムの早期事業化を目指す。また、在庫管理や入出庫管理を含む倉庫管理システムとの連携を図ることで、棚卸管理まで含めて物流倉庫の自動化を推進していく。NECは2024年以降、同システムを「NEC Digital Platform」に組み入れての展開を目指す。

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