[新製品・サービス]
シスコの全製品を統合管理する「Networking Cloud」、CatalystスイッチのCLI操作も可能に
2023年9月13日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)
シスコシステムズは2023年9月13日、説明会を開き、数年後に提供予定の統合運用管理ツール「Cisco Networking Cloud」について説明した。小中規模向けネットワーク機器「Cisco Meraki」の管理ツールと同様の簡便な操作性を継承しつつ、データセンター向けスイッチ「Catalyst」を含めた同社の全製品を統合管理できる。例えば、個々のスイッチの監視画面に疑似的なターミナル接続画面を設け、あたかもスイッチのCLI画面にログインしているかのようにコマンドを実行可能である。
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シスコシステムズは、同社の製品群を統合管理する「Cisco Networking Cloud」を数年後に提供する予定である。
「個々の運用管理ツールを連携させてシームレスにつなぐことで、共通の管理画面から全製品を管理できるようにする」(同社 執行役員エンタープライズネットワーキング事業担当の眞﨑浩一氏、写真1)としている。
例えば、簡単に使えることを追求し、機器の設定をクラウドで一元管理可能な「Cisco Meraki」シリーズと、ネットワーク管理者がCLI(コマンドラインインタフェース)ベースで運用管理するデータセンターやマシンルームの「Catalyst」シリーズを1つの運用管理ツールで扱える。
現在でも、Merakiの運用管理ツールから、Catalystの稼働状況を監視することができる。ネットワーク機器の接続状況がトポロジーマップで分かるほか、各機器のポート状態や通信内容に関する統計情報などが得られる(画面1)。
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説明会では、Networking Cloudでアップデートされた機能を発表した。個々のスイッチの監視画面に、疑似的なターミナル接続画面を設けている。あたかもスイッチにリモートから端末接続しているかのように、プロンプトに対してCLIのコマンドを実行可能である。この裏では入力したコマンドラインの内容に合わせたAPIを発行してスイッチから情報を取得し、疑似的なターミナル画面上に結果を表示している(画面2)。
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同機能は、Catalystスイッチユーザーの「CLIでコマンドを操作して情報を閲覧したい」ニーズに応えるもの。疑似ターミナル画面で使えるコマンドは、showのような参照系に限るが、ネットワークトラブルが発生した際に、Networking Cloudから他のツールへと明示的に切り替えることなく、CLIコマンドを使ってトラブルシューティングにあたれるようになる。
また、ネットワークOSであるCisco IOSのアップデートなども、Networking Cloudを介して行えるようにする予定である。Catalystの運用管理ツール「Cisco DNA Centerの」機能群も、Networking Cloudの傘下でシームレスに使えるようにする。なお、DNA Centerを使うと、スイッチの設定をまとめたConfigファイルの履歴管理やスイッチへの配信・適用といった運用も可能である。
なお、Catalystの関連製品も刷新する計画で、例えば、DNA CenterはCatalyst Centerに、Viptela SD-WANはCatalyst SD-WANに改称する。