ニューロベイスは2023年11月27日、対話型ノーコード開発ツール「Jenify.ai」を発表した。2024年中のリリースを予定している。生成AIを活用し、日本語や英語などの自然言語を使って対話型でアプリケーションを設計・開発できる。プロトタイプ開発やプログラミング教育の用途での普及を進め、順次適用範囲を広げていく予定である。
ニューロベイスの「Jenify.ai」は、対話型のノーコード開発ツールである。GUIによる一般的なノーコード開発に加えて、生成AIを活用し、日本語や英語などの自然言語を使って対話的にアプリケーションを設計・開発できる「プロンプトウィザード」を備えている(画面1)。
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プロンプトウィザードでは、以下の3つのステップでアプリケーションを設計・開発する。
(1)作成したいアプリケーションの目的や要件を「概要プロンプト」として入力すると、生成AIはさらに詳細な情報を得るためにユーザーに追加の質問を行う。
(2)対話によって概要プロンプトが定まると、生成AIがアプリケーションの全体設計を実施する。「データ構造」「画面定義」「ルーティング」などの要素ごとに、仕様書である「詳細プロンプト」を出力する。ユーザーは、詳細プロンプトの内容をチェックし、必要に応じて、追加の概要プロンプトを入力したり、詳細プロンプトを直接修正したりする。
その際、テキスト入力のほかに、音声入力も可能。今後は画像入力にも対応する予定で、言語化が難しい画面デザインなどの指示を的確に行えるようになる。
(3)完成した詳細プロンプトに沿って、生成AIがフロントエンドとバックエンドのコードを生成し、アプリケーションを構築する。生成AIが出力するコードは、静的型付け言語であるTypeScript形式のReact/ReactNativeコンポーネントや構成ファイルなどである。ビルド時にデータ型の整合性をチェックし、エラーが見つかった場合はコードを自動で修正する。
プロンプトとGUIによる2ウェイ開発、変更を自動で反映
一般的なノーコード開発ツールと同様、GUIによる開発も可能である。開発者は、1つのアプリケーションを生成AIとGUIの両方を同時に使って開発できる。生成AIがGUIを使って変更した内容を言語化して詳細プロンプトに反映するので、開発方法を行き来しても詳細プロンプトは常に最新の仕様となる。
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バージョン管理機能として、詳細プロンプトの変更差分と、生成AIが出力したプログラムコードの変更差分の両方を変更のたびに記録する。いつ、だれが、どのような変更を加えたのかがバージョンごとに記録されるので、過去のバージョンに戻したり、派生バージョンを作成したりできる。
2024年内にリリースする予定で、まずはプロトタイプ開発やプログラミング教育の用途での普及を進め、順次適用範囲を広げていく予定である。