電通国際情報サービス(ISID)は2023年12月5日、SAPユーザーを対象とした調査レポート「SAPユーザー企業意識調査結果2023年度版」を発行した。SAP S/4HANAユーザーの比率は2022年調査時の16.3%から27.5%へと1割増加。ECCユーザーが想定するS/4HANAへの移行方法は現行アドオンを引き継ぐ「コンバージョン」が最多(32.3%)、ECCユーザーが妥当と思うS/4HANAへの移行費用は「1~3億円」が最多(26.5%)だった。
電通国際情報サービス(ISID)は、SAPのERPアプリケーション(ECCまたはS/4HANA)を運用するユーザー企業約1300社を対象とした年次調査を実施した。2023年9月22日~同年11月8日にかけて、電話調査(約300社)、Webフォーム(約100人)、アンケート用紙(約1200社)を通じて調査した。有効回答社数は262社で、ECC6.0ユーザーが190社、S/4HANAユーザーが72社である(両方利用している企業1社はいずれにも加算)。
S/4HANAユーザーの比率は、2022年調査時の16.3%から27.5%へと約10%増えた。S/4HANAへの移行が進んでいることが分かった(図1)。
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ECCユーザーが想定するS/4HANAへの移行方法は、現行アドオンを引き継ぐ「コンバージョン」が最多(32.3%)だった。「第三者保守サービスに保守を移管し、ECC6.0を継続利用」するという回答も17.5%を占めている(図2)。
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ECCユーザーが妥当だと思うS/4HANAへの移行費用は「1億円~3億円」が最多(26.5%)で、次点が「3億円~5億円」(11.4%)だった。1億円以下が妥当としたユーザーは、「5000万~1億円」(8.4%)と「5000万円以下」(7.2%)だった(図3)。
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ECCユーザーが検討中のS/4HANAのシステム環境は、「パブリッククラウド」が最多(36.4%)だった。クラウドについてはほかにも、「SAP HANA Enterprise Cloud」(HEC)が6.3%、「RISE with SAP」が23.3%だった(図4)。「今後もS/4HANAのシステム環境はクラウドが主流である」(ISID)。
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