LayerXは2024年4月5日、経費精算における領収書の回収処理が、インボイス制度後にどう変化したのかを調査した結果を発表した。経理担当者の78.6%が領収書回収業務の「手間が増えた」と回答。回収した領収書のうち4件に1件で不備があった。最も多い不備は、登録事業者なのに登録番号の記載がないというもので、不備の48.6%を占めている。
LayerXは、経費精算における領収書の回収処理が、2023年10月のインボイス制度開始後にどう変化したのたかを、2024年3月18日~20日の期間、経理担当者420人を対象に調査した。
調査のハイライトとして、経理担当者の78.6%が領収書回収業務について「手間が増えた」と回答した。また、回収した領収書のうち、約4件に1件で不備があった。最も多い不備は「登録事業者なのに登録番号の記載がない」というもので、不備の48.6%を占めている。
まず、経理担当者に、インボイス制度の開始以降、経費精算に関する領収書回収業務の手間がどのように変化したかを質問した。この結果、31.9%が「とても手間が増えた」、46.7%が「やや手間が増えた」となり、合わせて78.6%が手間が増えたと回答している(図1)。
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手間が増えたと回答した人に、具体的にどのような業務において手間が増えたかを尋ねている。この結果、1位「領収書がインボイスの要件を満たすかの確認」(64.2%)、2位「適切な領収書回収に向けた従業員への法制度・対応に関する周知」(55.8%)、3位「適切な領収書発行に向けた取引先への対応依頼や周知」(46.7%)となった(図2)。
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図2において青色の棒グラフで示した項目は、経理担当者が直接的に対応を求められる項目である。一方、黄色の棒グラフで示した項目は、従業員への周知や取引先への依頼など、直接的な対応ではないものの間接的に対応を求める必要がある業務項目である。
調査では、経費精算のために回収した領収書のうち、「インボイス制度の要件を満たさない不適切な領収書」の割合についても質問した。結果、39.3%が「10%程度が不適格」、12.9%が「20%程度が不適格」、7.4%が「30%程度が不適格」と回答した。平均値を算出したところ、領収書の24.1%(約4件に1件)で不備が発生していることが分かる(図3)。
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次に、「インボイス制度の要件を満たさない不適切な領収書」について、具体的にどのような不備が発生したのかを質問した。最も多い回答は「登録事業者なのに登録番号の記載がされていない」で、48.6%を占めた。次いで「適用税率の記載がない」(38.2%)と「税率ごとに区分した消費税額の記載がない」(35.8%)が続いた(図4)。「請求書への登録番号の記載は対応が進んでいる一方で、領収書への登録番号の記載は対応が進んでいない実態が見てとれる」(LayerX)。
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