インサイトテクノロジーは2024年4月16日、SQLテストツール新版「Insight SQL Testing ver.4.0」をリリースした。生成AIがSQLの修正案を提案する機能を追加し、SQL修正案が正しく動作するかを同じ画面で再テストできる。生成AIサービスは、Amazon Bedrock(Claude 2.1)またはローカル環境のGPT4All(swallow-7b.Q5_K_M.gguf)のいずれかを選択できる。
インサイトテクノロジーの「Insight SQL Testing」は、データベースの移行/バージョンアップ時に既存のSQLがそのまま使えるかをテストするツールである。本番環境のデータベースにアプリケーションが発行するSQLを自動収集し、収集したSQLを移行先のテスト環境でテスト/評価する(画面1)。
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「移行先のテスト環境でエラーが発生した場合、ツールなどを利用して、データベースの仕様の差異を確認してSQLを修正した後、テストを再実行する必要がある。この方法では複数のツール間を行き来する手間が生じる」(同社)
この問題に対し、新版のver.4.0では、Insight SQL Testing上で生成AIがSQLの修正案を提示し、そのままテストを再実行できる。本番環境からのSQL収集、移行先へのSQL実行、エラーが発生したSQLの修正案の確認と修正後の再テストまで、一連のプロセスを単一ツール内で実施することができる。
画面2は、SQLのエラー分析操作の画面である。生成AIがSQLの修正案を提示し、テスト結果と同じ画面に表示する。修正案が正しく動作するかを同じ画面でテストを再実行できる。テストが成功すれば、移行のアセスメントが完了する。
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生成AIサービスとして、Amazon Bedrock(LLM:Claude 2.1)またはローカル環境で動作するオープンソースのGPT4All(LLM:swallow-7b.Q5_K_M.gguf)のいずれかを選択する。
インサイトテクノロジーによると、クラウドサービスのBedrockは、Insight SQL Testingを導入したマシンに処理負荷をほどんどかけない。また、AWS PrivateLinkを使えばインターネットを経由せずに推論が可能で、SQL文が外部に流出する危険がないとしている。
一方、GPT4Allは、Bedrockの利用が困難な際の選択肢として用意している。「ローカルで作動する分、Insight SQL Testingを導入したマシンに負荷がかかり、Bedrockと比べて応答速度が大幅に遅くなりがちで、提示されるSQL修正案の内容も、Bedrockの方がすぐれている場合が多い」(同社)。