さくらインターネットは2024年4月19日、生成AI向けクラウド基盤サービス「高火力」の整備計画をアップデートした。同年4月から2027年末にかけて、半精度(16ビット演算)で16.9EFLOPS(エクサフロップス)の計算能力を追加する。現在整備中の2.0EFLOPSと合わせ、合計18.9EFLOPSに達する見込み。クラウド資源の供給確保計画に関する経済産業省の認定の下で取り組んでいる。
さくらインターネットの「高火力」(写真1)は、AI用途を想定したGPUベースのクラウドサービスである。石狩データセンター(北海道石狩市)で提供している(関連記事:さくらインターネット、AI用途を想定したGPUクラウドサービスを2024年1月以降に開始)。
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現在の整備計画では、「NVIDIA H100」など約2000基のGPUで、AI用途の半精度浮動小数点演算で合計2EFLOPS(エクサフロップス)に相当するコンピューティングリソースを2025年3月末までに構築する予定。前倒しで進めており、2024年6月末までに完了としている。
供給確保計画 認定日 |
GPU搭載数 | 計算能力 (半精度) |
期間 | 投資規模 |
---|---|---|---|---|
2023年6月16日 | 約2000基 | 2.0EFLOPS | 2023年7月~2025年3月末 | 130億円規模 |
2024年4月15日 | 約8000基 | 16.9EFLOPS | 2024年4月~2027年12月末 | 1000億円規模 |
今回、整備計画をアップデートした。2024年4月から2027年末にかけて、「NVIDIA HGX B200」など約8000基のGPUで、半精度(16ビット演算)で16.9EFLOPSの計算能力を追加する。現在整備中の2.0EFLOPSと合わせ、合計18.9EFLOPSに達する見込みである(表1)。
同社の取り組みは、経済産業省が認定した経済安全保障推進法に基づく特定重要物資である「クラウドプログラム」の供給確保計画に基づいている。「AIに関わるコンピューティングリソースの安定供給を確保することが、日本のデジタル社会を発展させるために必要不可欠と考えて申請した」(同社)としている。
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