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日立製作所、基幹システムのコーディングに生成AIを適用するための開発フレームワークを整備

開発プロジェクトのナレッジを基にするRAG構成を採用

2024年5月22日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

日立製作所は2024年5月21日、基幹システムが要求する高品質なソースコードを生成AIで生成するための開発フレームワーク(ソフトウェア開発ツール、開発ガイド)を整備したと発表した。同社の検証では、生成したソースコードの70~90%が適切であることを確認したという。日立が社内やSIサービス(受託開発)で利用するほか、社外にも提供する。

 日立製作所は、基幹システムや社会インフラなどミッションクリティカルシステムのソースコードを生成AIで生成するための開発フレームワーク(ソフトウェア開発ツール、開発ガイド)を整備した。不具合が許されないシステム開発に生成AIを適用することを狙っている。

図1:日立製作所が整備した、高品質なソースコードを生成AIで生成するための開発フレームワークの概要(出典:日立製作所)
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 大規模言語モデル(LLM)に与えるプロンプト(指示文)を工夫することによって、生成するソースコードの品質を上げるというアプローチをとる(図1)。適切なプロンプトを生成する手段として、開発プロジェクトのナレッジを活用してコンテンツを生成するRAG(Retrieval Augmented Generation:検索拡張生成)の仕組みを使う。

 ソースコード開発エディタ(Visual Studio Codeなど)に組み込むプラグインを用意している。Web画面やプラグインを介してRAGシステムでプロンプトを生成し、大規模言語モデル(Azure OpenAI Serviceなど)を呼び出してソースコードを生成する形になる。

 開発フレームワークは、同社が社内やSIサービス(受託開発)で利用するほか、社外にも提供する。生成AIを活用したアプリケーション開発の標準化に向けて、ユーザー企業であるジェーシービー(JCB)と共に、検証プロジェクトも始めている。

 日立が評価用のサンプル題材を利用して社内で実施した検証では、事前に詳細設計が完了している前提で、AIが生成したソースコードの70~90%において、品質が適切であることを確認したという。

 今後は、ソースコードの生成だけでなく、システムの設計工程や結合テスト工程など、システム安定化の観点でも生成AIを適用するとしている。

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日立製作所 / 生成AI / SI / JCB

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