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[市場動向]

「AI導入で増える電力・放出熱対策にITインフラ刷新が不可欠」─ピュア・ストレージ

AI導入後にITインフラの増強が必要になった割合は約6割

2024年5月30日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

ピュア・ストレージ・ジャパンは2024年5月29日、AIの導入がITインフラと企業のサステナビリティ(持続可能性)に与える影響に関する国内調査結果を報告した。AI導入に伴う電力消費・放出熱の増加について「事前に準備、対応していた」との回答は51%だった。また、AI導入後にITインフラのアップグレードが必要になったとした回答は55%に上った。

写真1:ピュア・ストレージ・ジャパン代表取締役社長の田中良幸氏
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 オールフラッシュストレージを提供するピュア・ストレージ・ジャパンは、日本企業を対象に、AIの導入がITインフラと企業のサステナビリティ(持続可能性)に与える影響についてアンケート調査を実施した。調査の対象は、売上1000億円以上で、AIを導入済みの企業である。有効回答者数は207人。調査期間は2024年3月11日~3月13日。調査委託先はマクロミル。

 調査のハイライトとして、AIの導入に伴う電力消費・放出熱の増加について「事前に準備、対応していた」と回答した人は51%だった。また、AIの導入後にITインフラのアップグレードが必要になったと回答した人の割合は55%に上った。83%は、サステナビリティの目標を達成するためにはAIプロジェクトに合ったITインフラが必要だと回答した。

 調査では、(1)AI導入の実態(導入が進まなかった理由、導入後の課題)、(2)AIの導入がITインフラに与えた影響、(3)電力・放出熱が増えることに対する事前準備、(4)電力・放出熱の増加がサステナビリティの目標達成に与える影響、(5)電力量・放出熱を削減するための対策などを聞いた。

AI導入後の課題上位に「インフラ不足」が挙がる

 (1)AIの導入が進まなかった理由は、「人員・人材不足」(27.5%)、「知識・経験不足」(24.2%)が上位を占めた。AI導入後の課題でも「人員・人材の増員」(36.2%)と最も高く、次いで「AI対応のインフラの不足」(27.1%)、「想定以上にコストがかかっている」(20.8%)の回答が多かった(図1)。「導入後の課題の2位にITインフラが挙がった」(ピュア・ストレージ・ジャパン、写真1)。

図1:AI導入後の課題(出典:ピュア・ストレージ・ジャパン)
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 (2)AIの導入がITインフラに与えた影響として、AI導入後にインフラのアップグレードが必要になった割合は、全体の約6割(55.1%)だった(図2)。内訳は、全面的な刷新が必要(4.8%)、大幅なアップグレードが必要(23.7%)、若干のアップグレードが必要(26.6%)である。また、ITインフラを整備せずにAIを導入したと仮定した場合の影響を聞いたところ、48.3%が「AIを効果的に活用できない」と回答した。

図2:AI導入におけるITインフラへの影響(出典:ピュア・ストレージ・ジャパン)
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 (3)AIの導入によって電力・放出熱が増えることに対する事前準備については、「事前に準備、対応していた」と回答した人は約半数(51%)だった。

 (4)電力・放出熱の増加がサステナビリティの目標達成に与える影響について「懸念している」と回答した人は46.5%。また、「サステナビリティ目標を達成するには、AIプロジェクトに対応したITインフラが不可欠だ」との認識に同意した人は83%に上った。

エネルギー効率のよいハードウェアが必要

 (5)電力量・放出熱を削減するための対策については、「よりエネルギー効率の高いハードウェアへの投資」(34.3%)のスコアが最も高く、次いで「使用しない機器のシャットダウンなどの実施」(24.6%)、「グリーンエネルギーへの投資」(23.2%)が続いた(図3)。

図3:電力量・放出熱を削減するための対策(出典:ピュア・ストレージ・ジャパン)
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 よりエネルギー効率の高いハードウェアとして、同社は同社製品を挙げている。容量密度の高さ、省電力設計、モジュール構造による部品の交換と保守プログラムによる廃棄物の削減効果などを優位点としてアピールしている。

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