[事例ニュース]
セガサミー、ERPの標準機能でカバーできない配賦処理を外部ツール連携で実現
2024年6月20日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)
セガサミーホールディングス(本社:東京都品川区)は、ERPシステムのリプレースにあたり、標準機能だけではカバーできない機能をアドオン開発することなく外部ツールとの連携によって調達した。同社が求める粒度での配賦(各部署への費用の割り当て)を実現するために、TISのツール「会計処理エンジン」を連携させている。TISが2024年6月20日に発表した。
セガサミーグループは、国内外約95社で構成し、エンターテインメントコンテンツ・遊技機・ゲーミングを軸に事業を展開している。同グループの持株会社であるセガサミーホールディングスは、グループ全体の経営管理をはじめ、経理・総務・ITなどの附帯業務を担っている。同社は2022年8月、グループ会社のセガが運用してきたERPシステムの保守切れを機に新たなシステムに移行した。
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同社には、「アドオン開発を行わず標準機能だけで運用する」というポリシーがあったが、移行先のERPは、同社が求める粒度での配賦(各部署への費用の割り当て)に標準では対応できなかったという。そこで、アドオンの代替手段としてTISが提供する外部ツール「会計処理エンジン」を採用した。ERPが出力する会計データに配賦処理を実施し、仕訳データを生成し、再度ERPに反映する仕組みである(図1)。
会計処理エンジンは元来、各社内システムからデータを集約して仕訳データを生成し、会計システムを含む周辺システムに必要な項目と粒度でタイムリーにデータ連携する自動仕訳ツールである。TISはセガサミーの導入に合わせて配賦処理の機能を追加した。本社経費や共通経費をプロジェクトごとに割り当てる共通費配賦処理の機能を組み込んで実現性を検証した結果、希望どおりの配賦処理の結果が得られたという。
なお、配賦率は毎月変動するため、運用開始後の配賦ルールや仕訳ルールの変更は、セガサミー社内で行っている。「会計処理エンジンはノンプログラミングで設定ができるため、このような運用の内製化に適している」(TIS)。