米Datumix(データミックス)の日本法人は2024年8月26日、サプライチェーンにおける需要予測と在庫最適化をデジタルツインとAIで実現する試験運用パッケージを販売開始した。数カ月~半年の中期と数週間~数カ月の短期の両スパンで、それぞれの戦術において需要予測・在庫最適化を図るとしている。
米Datumix(データミックス)の日本法人は、サプライチェーンにおける需要予測と在庫最適化をデジタルツインとAIで実現する試験運用パッケージ(画面1)を販売開始した。数カ月~半年の中期と数週間~数カ月の短期の両スパンで、それぞれの戦術において需要予測・在庫最適化を図るとしている。
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同パッケージを提供する背景について同社は次のように説明する。「従来の在庫管理ソフトウェアは生産性や効率の最大化に重点を置いているが、在庫最適化は潜在的な損失と利益のバランスを調整する複雑なプロセスである。最適化が難しい理由の1つに、需要のランダム性から100%の精度での予測が困難な点がある。また、供給側の不確実性も大きく、経験や勘に頼った直感的な判断が効果を発揮しにくいことも課題となっている」。
数カ月~半年の中期スパンで安全な在庫配置を最適化
数カ月~半年の中期スパンで、安全な在庫配置を最適化する。需要予測のうえで、製造時間、倉庫の出入庫時間、輸送時間などを考慮し、どれだけの在庫をサプライチェーンネットワークのどこに配置するかを最適化する(図1)。
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需要予測の見込みに基づいてあらかじめ在庫を貯めて準備しておく地点と、ランダム性のある需要が発生した時点で消費される在庫地点を想定する。これらの境界線となる通称デカップリングポイントに適したロケーションを決める。
需要側では、SNSの影響や異常気象によって急な需要変動が日常よく発生する。一方、供給側では、設備の故障や外部環境の影響で遅延が発生する。サプライヤーがいる地域での自然災害、ストライキによる港や輸送路線の閉鎖、地政学的なリスク、などの要因で輸送ルート自体が通行止めになるケースもある。
「サプライチェーン計画における意思決定の時間軸は、長ければ長いほど最適化の余地が大きい。このため、四半期~年粒度での中長期のサプライチェーンネットワーク構造最適化と、安全在庫配置(ネットワーク構造に変化が生じた場合は再計算が必要)の2つで、サプライチェーンのコストの80%が決まる」(同社)
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