[市場動向]
NTT-AT、データセンター間を400Gbpsで接続するホワイトボックス型スイッチ/ルーターを販売
2024年9月5日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)
NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)は2024年9月4日、高速・長距離伝送向けホワイトボックス型スイッチ/ルーター「IOWNネットワークソリューション」を販売すると発表した。距離が離れたデータセンター間を400Gbit/sで伝送可能で、データセンター事業者や通信事業者に向けて提供する。400G ZR/ZR+に準拠するデータセンター間ネットワークを、従来のスイッチ/ルーターより安価(50%削減)、省電力(40%削減)、省スペースで構築できるとしている。
NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)が販売する「IOWNネットワークソリューション」は、距離が離れたデータセンター同士を転送速度400Gbit/sで伝送可能なスイッチ/ルーター機器である。データセンター事業者や通信事業者に向けて提供する。ネットワークインタフェースは400G ZR/ZR+に準拠する。
特徴は、汎用のハードウェアやOSを組み合わせたホワイトボックスをベースにしていること。米ブロードコム(Broadcom)のASIC(特定用途向けIC)を実装したホワイトボックススイッチに400G ZR/ZR+光トランシーバーを搭載し、NTT-ATなどが開発したネットワークOSが動作する。
スイッチや光トランシーバーは、複数のベンダー・製品の中から用途に合ったものを組み合わせる。ネットワークOSは、NTTとACCESS/IP Infusionの技術を採用しており、ネットワーク運用保守の高度化や品質向上に貢献する機能を備えているという。
汎用製品を組み合わせるホワイトボックスのアプローチにより、同等スペックの従来スイッチ/ルーター製品より安価(50%削減)、省電力(40%削減)、省スペースで構築できるとしている(図2)。選択可能なホワイトボックス装置は3種類で、ASICなどのスペックは表1のとおりである。選択可能な光トランシーバーは3種類で、スペックは表2のとおりである。
拡大画像表示
拡大画像表示
拡大画像表示
「AIの普及などで、データセンターが扱うデータ量や電力消費量が増えている。こうした中、データ計算処理をデータセンターに分散するネットワークを安価かつ省電力で構築・運用する需要が高まっている」(NTT-AT)ことからホワイトボックス型スイッチ/ルーターを提供する。
また同社は、既存のデータセンター間接続ネットワークではソフトウェア/ハードウェア一体型のネットワーク装置と限られた光トランシーバーとの組み合わせが主流だが、ユーザーにとって投資効率の面で課題があると指摘。「ソフトウェアとハードウェアの分離や光トランシーバーの柔軟な選択による投資効率の向上が求められている」(同社)。