[事例ニュース]
“営業の神様”の経験を超える発見/洞察を─古野電気が挑むデータドリブン経営
2024年11月1日(金)IT Leaders編集部
船舶用電子機器メーカーの古野電気(本社:兵庫県西宮市)は、データドリブン経営に取り組んでいる。データビークルのBI/データ分析ツール「dataDiver」とデータマート構築ツール「dataExpress」を導入し、エキスパートの勘と経験を超えたデータ分析・活用の民主化を図り、売上拡大と利益率向上につなげる。2024年10月31日にデータビークルが発表した。
総合舶用電子機器(マリンエレクトロニクス)メーカーとして世界トップシェアに立つ古野電気。1951(昭和26)年創業、兵庫県西宮市に本社を置く同社は、漁船の魚群探知機開発からスタートし、「安全安心・快適、人と環境に優しい社会・航海の実現」をビジョンに掲げ、世界90カ国以上で事業を展開している(画面1)。
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同社は近年、Excel作業に代えてBIツールを導入し、業務データの可視化を進めてきた。しかし、同社 IT部 部長の峯川和久氏(写真1)によれば、「データを見る」だけで終わってしまい、売上拡大などの具体的な成果につながっていないという課題を抱えていたという。
「毎日データを見ていても、売上につながらなければ見ていないのと一緒。データを見るだけでなく、分析し、活用して意思決定することが重要だ」(峯川氏)という考えから、データビークルのBI/データ分析ツール「dataDiver」とデータマート構築ツール「dataExpress」を導入。データ分析をだれでも取り組みやすい仕組みを整え、「見えないものが見える」状態にして売上拡大と利益率向上につなげる活動に取り組んだ(画面2・3、関連記事:データビークル、分析用データセットを自動生成する「dataExpress」を発表、“マート待ち問題”を解決)。
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峯川氏によると以前、古野電気には、経験と勘に基づいて驚異的な営業成績を上げていた“神様”のような営業部長がいたという。データ分析に本腰を入れることで、その“経営の神様”の経験を超えるような、新たな発見やインサイトを得ることができる」(峯川氏)という期待があった。
しかしながら、取り組みに着手するも、分析に必要なデータが不足していた。「確実な販売データや受注データは揃っているが、分析単位での集計が必要ということに改めて気づかされた」と峯川氏。今後は、IT部門が中心となって分析に有用なデータの収集と分析基盤の構築を進めていくとしている。
●Next:広がる「データ分析の民主化」、毎日100人以上がBIツールを使うように
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