[市場動向]
富士通、2024年7月からSIサービス事業にコーディング支援AI「GitHub Copilot」を実利用
2024年11月27日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)
富士通は2024年11月27日、GitHub Japanが開いた会見に登壇し、SIサービス事業にコーディング支援AI「GitHub Copilot」を活用している実態を説明した。2024年7月からSI事業で利用を始めており、現在2400人の開発者が利用し、20%以上の作業時間短縮効果を得ている。2025年度末(2026年3月期)には1万人が使い、累計の時間削減効果は37万5000時間になる。
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富士通は2024年7月から、ユーザーの要件に合わせてシステムを構築するSIサービス事業に、AIによるコーディング支援機能「GitHub Copilot」を活用している。「社内向けの開発では以前から使っていたが、推進体制や品質・知財リスクなど各種ガイドラインを整備し、外向けのSI事業でも使い始めた」(同社、写真1)という。
富士通社内で開発に従事する部署の社員が使っているほか、SIのプロジェクトにおいてコーディング(実装)を担う協力会社の開発者が、富士通が所有するGitHubのライセンスを使っている。利用申請に対してライセンスを払い出す形で使ってもらっている。
現在、2400人の開発者が利用しており、20%以上の作業時間短縮効果を得ている。このまま社内での普及が進むと、2025年度末(2026年3月期)には1万人が使い、累計の時間削減効果は37万5000時間になる(図1)。
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開発工程のうち、GitHub Copilotが有効な、コードの実装(開発)とテストの工程で使っている(図2)。コードの生成、コードのコメントや説明の生成、単体テスト(テストケース、コード、データ)の生成、などに使っている。
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利用シーンの1つは、リファクタリング(プログラムの動作や振る舞いを変えることなく内部構造を最適化)である(図3)。Javaのコードを75%削減(965行を238行に削減)した例では、共通化できる処理をAIに提案してもらってスリム化し、保守性と可読性を上げた。
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利用シーンの2つめは、ソフトウェア障害に対応するデバッグ作業である。AIに対して、期待通りに動かなかったソースコードを渡し、処理の流れを説明させ、原因を考えさせ、修正を提案させ、修正が正しく機能するかどうかを評価させる。全体として、原因分析、修正計画、修正、単体テストといったことにGitHub Copilotを利用可能である(図4)。
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富士通でGitHub Copilotを利用した開発者の主な声は、図5の通りである。
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