朝日生命保険(本社:東京都新宿区)は2024年12月5日、生成AIを活用したRAG(検索拡張生成)技術の業務利用に向けた検証を開始したと発表した。PKSHA Workplaceのヘルプデスクシステムを導入し、特定部門での検証で精度や活用方法の調整を行ったうえで、2025年4月に本社と営業所が双方向で使えるAI窓口の設置を目指す。
朝日生命保険は、営業現場から本社への問い合わせに自動で回答する仕組みとして、2021年からFAQシステムを運用している。今回、さらなる業務効率化が必要と考え、ChatGPTを用いたPKSHA Workplaceの照会回答システム「PKSHA AI ヘルプデスク」を導入した(図1)。数年後に多くのベテラン社員が定年退職を迎え、内勤職員数が減ることが見込んで、生成AIの本格的な活用に取り組む。
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導入したヘルプデスクシステムでは、RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)を活用。現行システムと同機能のFAQ型チャットボットに加えて、生成AIが事前に登録した社内文書を検索して回答を生成する仕組みで、ユーザー自身による自己解決範囲を広げる。
2024年12月から一部の部門で検証を開始する。Microsoft Teams上に自動問い合わせ対応窓口を設置し、登録済みのFAQと社内文書検索を用いてAIが回答する。自動で回答できなかった場合は、同システム上から有人窓口に取り継く。
朝日生命によると、業務遂行に必要なマニュアル類や事務手続要領書などの社内文書の数は3500を超えているという。これらの社内文書を調べる作業を生成AIに代替させ、情報検索業務を削減する。今後、特定部門での検証を終え、精度や活用方法の調整を行ったうえで、2025年4月に本社と営業所が双方向で使えるAI窓口の設置を目指す。