[事例ニュース]

ローソン銀行、電子マネーチャージアプリの運用監視をDynatraceとPagerDutyで内製化

システム稼働監視で障害予兆を検知、アラート対応を省力化

2024年12月27日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

ローソン銀行(本店:東京都品川区)は、電子マネーへのチャージ機能を提供するモバイルアプリシステムの運用監視を内製化した。アプリケーション性能監視(APM)ツール「Dynatrace」とアラート対応ツール「PagerDuty」を2024年8月に稼働させた。導入を支援したSIベンダーのジールが2024年12月25日、同社サイトで同事例コンテンツを公開した。

 ローソン銀行は、全国のローソン店舗などに、1万3500台を超えるATM(2024年9月末時点)を設置している。ATMの利便性を活かし、預金、クレジットカード、決済アプリへのチャージ、海外送金カードの取り扱いなど各種のサービスを提供している。近年では、コード決済アプリや非接触カードに現金でチャージ可能な新型ATMの展開、ローソン店舗以外へのATMの設置、ATMでの入出金でポイントがたまるサービスなども提供している。

図1:ローソン銀行が内製で稼働させた、システム運用監視プロセス(DynatraceとPagerDutyを利用)の概要(出典:ジール)
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 電子マネーへのチャージ機能を提供するモバイルアプリについてはこれまで、外部SIベンダーに運用監視を委託していた。今回、これを内製化した(図1)。「利便性の高いサービスを提供するには運用監視の内製化が必要だった。システムの状況をみずからリアルタイムで把握することで、障害の発生を未然に防げる。障害発生時も、いち早く原因を究明して問題を解決できる」(ローソン銀行)。

 運用監視の内製化にあたっては、監視システムの要件として、システムの稼働状況をリアルタイムに把握するだけでなく、アプリ利用時のレスポンス劣化など、顧客体験を損なわせる予兆を察知できることも求めた。また、アプリにエラーが発生した際に、これまではできていなかった、クライアント側の状況やエラーの原因まで可視化することを求めた。

 こうした監視要件を満たすため、2つの運用管理ツールを導入した。1つは、システムのオブザーバビリティ(可観測性)を確保するための米Dynatraceのアプリケーション性能監視(APM)ツール「Dynatrace」である。もう1つは、外部のシステム監視ツールから得たアラートを判定し、上位階層にエスカレーション通知したり、一次対応を自動で実行したりする米PagerDutyのアラート対応ツール「PagerDuty」である。

 こうして、2023年11月にDynatraceとPagerDutyの導入プロジェクトを開始し、PoC(概念検証)を経て、2024年8月に本稼働させた。同行はDynatraceについて「自社システムに必要な可観測性を備えていた。また、対象となるサーバーにエージェントをインストールするだけでクライアントアプリを監視できる点を評価した」としている。

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