住友倉庫(本社:大阪府大阪市)は2025年1月10日、国際貨物上屋での輸出貨物取扱業務における搬入確認作業にAI-OCRを導入したと発表した。倉庫作業員がケースマークをスマートフォンで撮影することでケースマークの情報をデータ化できる。導入前と比較して作業時間の約60%削減を図っている。AI-OCRソフトウェアにはフューチャーアーキテクトの「Future EdgeAI」を採用した。
住友倉庫は、倉庫業を核に、港湾運送業、国際輸送業、陸上運送業を含む物流事業と、物流用地の再開発を中心とする不動産事業を展開している。
国際貨物には、配送先や重量といった貨物の詳細を示す記号や番号、文字など多くの情報が記載されたケースマークが貼り付け/印字されている。そのため、国際貨物の荷捌き業務では多くの目視確認や手作業が必要になるが、ケースマークの確認とシステムへのデータ登録作業に多大な業務負荷がかかっていたという。
そこで同社は、大阪市にある南港第二営業所国際フェリー上屋における輸出貨物取扱業務の搬入確認作業にAI-OCRを導入し、搬入時に行うケースマーク情報の読み取りとシステム登録作業の効率化を図る。
フューチャーアーキテクトのAI-OCRソフトウェア「Future EdgeAI」を採用した。同製品は、スマートフォンやハンディターミナルなどの携帯端末で書類や伝票のデータ化で活用されている。活字以外に手書きの日本語も読み取る。画像補正技術により、印刷面に擦れ・ノイズ、水濡れ、折れ・曲がりのあるバーコードや文字にも対応する。
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倉庫作業員がケースマークをスマートフォンで撮影すると、ケースマークの情報をデータ化できる。倉庫作業員がケースマーク情報を読み取って、2次元コードとして現場でラベル出力した後、事務作業員が2次元コードをスキャンすると、自動でシステムにデータを登録する仕組みである(図1)。
導入前と比較して作業時間の約60%削減を図る。住友倉庫は今後、他の業務への導入拡大を検討する。