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NEC、不安定な無線通信下の映像伝送を最適化する「NEC Intelligent Video Streaming」を発表
2025年1月14日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)
NECは2025年1月10日、映像伝送最適化ソフトウェア「NEC Intelligent Video Streaming」を発表した。2024年12月20日から販売している。無線通信速度を予測してビットレートを自動調節する技術と、注目領域以外の画質を下げてデータ量を抑制する技術を使い、モビリティ遠隔監視やリモート広域監視などの映像伝送を最適化する。
NECの「NEC Intelligent Video Streaming」は、無線通信を用いたリアルタイムな映像伝送を最適化するソフトウェアである。自動運行車の遠隔監視や、海上や山間部などの広域遠隔監視など、安定した通信品質が得られない場面でも、映像を安定して分析できるようにする。
「無線通信の品質は予測困難に変動するため、映像が乱れ、監視ができないという課題がある。また、狭帯域な無線通信環境では、映像分析に必要な画質が得られず、映像を活用することが困難だった」(NEC)
こうした課題を踏まえて今回開発した技術は大きく2つ。(1)無線通信速度を予測してビットレートを自動調節する「通信速度予測技術」と、(2)注目領域以外の画質を下げてデータ量を抑制する「画質最適化技術」である。
(1)無線通信速度を予測し、映像品質をリアルタイムで先回り制御する(図1)。伝送する映像・画像のデータ圧縮率を帯域幅の変動に合わせて自動調節することで、低い帯域幅でも必要な映像・画像が伝送可能である。
(2)注目領域と最適画質を学習し、送信映像を最適化する(図2)。映像分析に必要な領域は高画質に、不要な領域は低画質にすることによって、リアルタイムな映像分析に必要な画質を維持しながら、安定した映像伝送に適したデータ量まで削減する。