[市場動向]

KDDIなど7社、月-地球間および月面での大容量通信に向けた技術を検討

2025年2月3日(月)IT Leaders編集部

KDDIは2025年1月31日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙戦略基金の技術開発テーマ「月-地球間通信システム開発・実証(FS)」の受託にあたり、2025年2月から月-地球間および月面での大容量通信実現に向けた実現可能性について検討を実施すると発表した。KDDIが同事業の代表機関となって、連携機関6社(京セラ、NECスペーステクノロジー、アークエッジ・スペース、NEC、三菱電機、KDDI総合研究所)と共に検討を進める。

 KDDIは、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の技術開発テーマ「月-地球間通信システム開発・実証(FS)」事業の委託先として、2025年2月から月-地球間および月面での大容量通信実現に向けた実現可能性について検討を実施する。KDDIは2024年11月15日に同事業の委託先に選定された(図1)。

図1:アルテミス計画に向けた月通信セグメントと、今回取り組む実証の対象(出典:KDDI)
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 KDDIが同事業の代表機関となって、連携機関6社(京セラ、NECスペーステクノロジー、アークエッジ・スペース、NEC、三菱電機、KDDI総合研究所)と共に検討を進める。

 現在、NASAやJAXAをはじめとした世界各国の宇宙機関は、2020年代後半の有人月面着陸、および継続した月面探査活動を通じた科学的発見・産業振興・次世代の人材育成を目指す「アルテミス計画」を進めている。同計画では、月面探査活動に必要となる月-地球間および月面での大容量通信を実現する環境の構築が求められている。

 KDDIは、2022年からJAXAと月面探査活動に向けた月-地球間の超長距離通信システムなどの全体アーキテクチャの検討をコンソーシアム企業と共同で取り組んでいる。2024年には、宇宙用汎用作業ロボットを開発する米GITAI USAと、月面での通信環境構築に向けたロボットによる基地局アンテナ設置の実証を行った。

 今回のプロジェクトでは、これまでの取り組みの成果を生かし、1年間のフィジビリティスタディを通じて、月-地球間および月面での大容量通信実現に向けた実現可能性を検討する。

 地上局による月-地球間通信の実現に向けては、X帯およびKa帯を活用した長距離で大容量通信が可能な地上局の基本設計、地上局同士を接続するネットワークの基本設計を実施する。

 月面モバイル通信の実現に向けては、月面電波伝搬シミュレーションなどを活用した月面モバイル通信エリアの設計、月環境で使用可能なモバイル通信機器の機能・性能要件の抽出、月面基地局の支柱構築方法の検討、月面モバイル通信システムの運用コンセプト策定などを実施する。

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