GMOリサーチ&AI(GMO-R&AI)は2025年4月8日、保有する国内モニターパネル「JAPAN Cloud Panel」のモニター1172人を対象に、AIのトレンドに関する調査を実施したと発表した。定点調査であり、2023年11月に開始し、今回で6回目となる。生成AIの業務利用率は、2024年8月の調査時点から大きな変化は見られないが、積極的な利用層は増加傾向(15.7%から19.2%へと3.5ポイント上昇)が見られた。
GMO-R&AIは、AIのトレンドに関する定点調査を実施した。保有する国内モニターパネル「JAPAN Cloud Panel」のモニター1172人(国内15歳以上の男女)を対象に、2025年2月21日~22日にかけてオンラインで実施した。初回(2023年11月)から数えて今回で6回目となる。
生成AIの認知について「知っている」(非常によく知っている/ある程度知っている/少し知っている)との回答は72.4%だった(図1)。前回調査時(第5回、2024年11月)の72.3%と比べて変化はほとんどなく、第1回調査(2024年2月)の71.1%からも横ばいの状況が続いている。

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利用状況は、生成AIを「使ったことがない」との回答は57.5%だった。逆に「使ったことがある」(日常的に使っている/ときどき使っている/ほぼ使わない)という「利用率」は42.5%となり、約1年前の2024年2月調査時(33.5%)と比べて9.0ポイント上昇している。
生成AIを「利用している」(日常的に使っている/ときどき使っている)と回答した人を対象に、1年前と比較した生成AIの利用時間・回数について調査したところ、「利用が増えた」(使用時間・回数が2倍以上に増えた/使用時間・回数が少し増えた)との回答が60.6%だったのに対し、「利用が減った」(使用時間・回数が少し減った/使用時間・回数が半分以下に減った)という回答は2.8%にとどまった(図2)。生成AIの利用層では積極的な活用が進んでいる。

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一方、「利用していない」(ほぼ使わない/使ったことはない)と回答した人に理由を聞いたところ、「必要性を感じない」(68.0%)が最も多く、「使い方がわからない/難しそう」(36.2%)が続いた。生成AIの未使用層では、活用イメージの乏しさや使い方の難しさが背景にある。
業務利用率は36.9%でほぼ横ばい
業務における生成AIの利用率(日常的に利用している/ときどき利用している/ほとんど利用しない)は36.9%と、2024年8月の36.0%からほぼ横ばいという結果になった(図3)。積極的な利用層(日常的に利用している/ときどき利用している)に着目すると、2024年8月の15.7%から今回は19.2%へと3.5ポイント上昇した。

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生成AIの業務利用での懸念点は、「データプライバシーとセキュリティ」と「著作権や知的財産権の問題」が、過去の調査結果と同様の傾向で、上位2項目となっている。プライバシーや権利の保護などに対する構造的な課題の解消が今後も重要であることが示唆されていると同社は指摘する。
一方、「雇用への影響」や「バイアスや差別の助長」といった、人間の影響力が低下していくことに対する漠然とした不安に関しては、回答率が継続的に減少している。生成AIの利用が広がり、理解が進むにつれて、不安を解消している人が増えていることを示していると同社は指摘する。