[ユーザー事例]
KDDIグループのDX推進組織が突き進む、AIを駆使したアジャイル開発
2025年10月24日(金)河原 潤(IT Leaders編集部)
KDDIグループのデジタルトランスフォーメーション(DX)事業を担うKDDI Digital Divergence Holdings(KDH)が、DX成功のカギにAIやアジャイルを挙げて取り組んでいる。2025年10月23日に開催されたアトラシアン日本法人の説明会に、KDH代表取締役社長 CEOの木暮圭一氏が登壇。「JiraやConfluenceのヘビーユーザー」という立場から、700人規模で推進するアジャイル開発の実践やAI活用のスタンス、得られた手応えなどを明かした。
KDDIグループのDX事業を担うKDH
KDDI Digital Divergence Holdings(KDH)は、KDDIグループのデジタルトランスフォーメーション(DX)事業を専門に担う中間持株会社である。同事業をグループ全社で拡大する目的で2022年5月12日に設立され、同年7月1日より事業を開始した。「サテライトグロース戦略」を掲げるKDDIグループにおいて、アイレット、KDDIアジャイル開発センター、KDDIウェブコミュニケーションズ、ELYZA(イライザ)などのグループ会社を束ね、各社の連携を強化する役割を担っている(図1)。
図1:グループのDXを担うKDDI Digital Divergence Holdings(KDH)(出典:KDDI Digital Divergence Holdings)拡大画像表示
アトラシアンの説明会に登壇した、KDH代表取締役社長 CEOの木暮圭一氏(写真1)は、1995年の入社以来、「Jira」や「Confluence」などのアトラシアン製品を深く使い込んできた経験を持つ。同氏は「まさにこのアトラシアン製品と共にDX事業を推進してきた」と述べ、アトラシアン製品をDX事業、直接的には大規模な体制で実践するアジャイル開発(後述)の中核に据えていることを強調した。
写真1:KDDI Digital Divergence Holdings 代表取締役社長 CEOの木暮圭一氏顧客のDX支援そしてグループのデジタル戦略を推進するうえでのカギとして、木暮氏は「AI、データ、クラウド、アジャイル、これがうまく組み合わさらないとうまくいかない」と指摘。特に、進展著しいAIについては、「本当にAIが世の中を変えてくる」と強い期待を示し、グループのDX事業において、AIを軸に連携していくとした。
KDDIのアジャイル開発の歩み
挙げたカギの1つ、アジャイルについて、木暮氏はKDDIにおけるアジャイル開発の歴史を紹介した。2013年にわずか5人でスタートした取り組みは、現在ではパートナー企業を含め700人規模の体制にまで拡大。2022年にはアジャイル開発センターとして分社化するに至っている(図2)。
図2:KDDIグループのアジャイル開発の歩み(出典:KDDI Digital Divergence Holdings)拡大画像表示
KDDIがアトラシアン製品を手にしたのは、このアジャイル開発が始まった2013年だという。「アジャイルを始める時に何がよいのかを検討し、『グローバルベストを選ぼう』という当時のリーダーの号令の下、アトラシアンを選んだ」(木暮氏)。
以来、KDDIグループはアトラシアン製品を使い続け、アジャイル開発のスキルを高めていく。当初IT部門中心の25IDからスタートし、現在ではグループ全体で4000IDにまで拡大している(図3)。
図3:KDDIグループのアトラシアン製品導入・活用の経緯(出典:KDDI Digital Divergence Holdings)拡大画像表示
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