電通総研は2025年10月9日、生成AIでシステム開発の上流工程を半自動化する社内用の「上流工程AIエージェント」を開発し、運用を開始したと発表した。プロジェクトメンバーとの対話を基に要件定義、基本設計、アーキテクチャ設計を実行する。2027年までにすべての新規開発案件に導入する計画という。
電通総研は、生成AIでシステム開発の上流工程を半自動化する社内用の「上流工程AIエージェント」を開発し、運用を開始した。プロジェクトメンバーとの対話を基に、要件定義、基本設計、アーキテクチャ設計を実行する。2027年までにすべての新規開発案件に導入する予定(図1)。

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2025年6月に実施した検証では、要件定義や基本設計工程において30%の生産性向上を確認。「プロジェクトメンバーは、システム戦略の立案や顧客とのコミュニケーション、合意形成といった、より付加価値の高い業務に注力できるようになった」(同社)。
上流工程AIエージェントは、社内のプロジェクトマネジャーや業務有識者との対話を通じて要求を整理し、改善を提案する。業務有識者の知見や自社の専門技術ノウハウを活用しながら、要件定義や基本設計といった設計作業を自動的に進める。
仕様変更時には、AIエージェントが影響範囲や修正案を提示し、設計書を修正する。これにより、要件定義書や設計書を手動で編集した場合の設計上の抜け漏れリスクを減らし、上流成果物やシステム全体の品質を維持する。