生成AIがAIエージェントからAGI(汎用人工知能)へ。AIが急速に進化する中、ヒューマノイド(人型ロボット)の社会実装も現実味を帯びている。現在は米国と中国が巨額投資で開発をリードしている。ホンダのASIMOなど、かつて先行した日本は大きく出遅れているが、それでも特許出願数では3位だ。今後に挽回はあるのか。今、世界のヒューマノイド開発の領域で起こっていることをまとめてみる。
生成AIの進化とヒューマノイドの進化
生成AIの進化は目覚ましく、半年前の情報がもう役立たない。日々、大規模言語モデル(LLM)をエンジンにしたさまざまなアプリケーションが生まれている。2025年はAIエージェントの動きが活発で、自律的な動作への期待が見られる。AIエージェントのセミナーを覗いてみると、社内への導入支援や研修ビジネス、AIエージェントの開発の支援ビジネス、業務特化型のAIエージェント環境の提供など、さまざまな領域で活用されている。また、来場者にベトナムや韓国からの参加もうかがえる。
AIエージェントの先には、より汎用性を追求したAGI(Artificial General Intelligence:汎用人工知能)がある。特化型から汎用型へと進化するAGIは人間と同等の知能水準を持ち、未知のタスクや状況に対しても自律的に学習して対応することが期待される。人間が学習させる今のAIと異なり、自ら学習するAGIは見えてくる景色が異なってくるだろう。その先にはASI(Artificial Super Intelligence:人工超知能)があり、もはや進化は止まることがない。
AI技術の進化とシンクロして現実味を帯びつつあるのが、ヒューマノイド(Humanoid:人型ロボット)である。今はまだ研究開発段階だが、進化は著しい。2025年4月、ヒューマノイド開発のアピールと二足ロボット耐久性の検証を目的に、中国・北京でヒューマノイドのハーフマラソン大会があり、21体が参加した。8月には同じ北京でヒューマノイドのスポーツ大会が開催されている。16カ国から500体以上が参加し、運動能力を競った。日本からも1社が参加したそうだ。エンターテイメントとしても、開発過程のレベル検証としても興味深い内容だった。
研究開発で米国と中国が突出
ヒューマノイドの研究開発では米国と中国が圧倒している。米国はイーロン・マスク氏のTesla(テスラ)をはじめとして、FigureAI、Agility Robotics、1X Techinologiesなどが大きな投資を行っている。中国はUnitree、EngineAI、Beijin HRIC、Robot Eraなどが名を連ねる。カナダや英国、EUにも開発を進める会社がある。
米モルガン・スタンレーは2025年2月、「The Humanoid 100: Mapping the Humanoid Robot Value Chain」というヒューマノイド産業のバリューチェーン、市場動向を分析した調査レポートを投資家向けに公開した。さまざまな企業が関与して製品化されるヒューマノイドは多数の構成要素から成っており、主要なものに以下の5つがある(図1)。
①Environmental Inputs
②Sensors
③Brain
④Actuators
⑤Movement
図1:ヒューマノイドの構成技術(出典:米モルガン・スタンレー)拡大画像表示
このうち、Brainだけでも「Foundational Autonomy Models(基盤自律モデル)」や「Simulation&Vision」といった高度なソフトウェア、それにヒューマノイドの計算や視覚能力、記憶を担う半導体などの要素があり、それぞれに複数のプレーヤー(企業)がいる(図2)。ハードウェアもセンサーやモーター、アクチュエータごと、あるいは特定のモジュールごとに専門企業があって、日々研究開発を重ねている。
図2:ヒューマノイドの業界構造(出典:米モルガン・スタンレー)拡大画像表示
●Next:インテグレーション力のある企業が競争に抜きん出られる
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