[事例ニュース]
LIXIL、Google Workspaceをグローバル全社導入して新たなデジタルワークプレイスを構築
2025年12月10日(水)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)
LIXIL(本社:東京都品川区)は、グローバル5万3000人の業務環境にSaaSのオフィスプロダクティビティ/コラボレーションスイート「Google Workspace」を導入した。移行開始から旧グループウェア完全停止まで3年間をかけたプロジェクトで、全ファイル/データをクラウドに移行し、データ漏洩リスクを減らしてセキュリティを強化。これにより、データやAIの活用を促す新たなデジタルワークプレイスを確立した。グーグル・クラウド・ジャパンが2025年12月9日に発表した。
LIXIL(リクシル)は、住宅設備・建材のグローバル大手メーカーである。2011年にトステム、INAX、新日軽、サンウエーブ工業、東洋エクステリアの5社を統合して設立した企業で、トイレ、浴室、キッチン、窓、ドアなど住まいの水回り製品から建材まで幅広く製造・販売している。現在、150以上の国と地域で約5万3000人の従業員が働いている。
同社は早期からパブリッククラウドの導入・移行に積極的に取り組んでいる。これまで、グーグル・クラウド・ジャパンの協力の下、社内データ分析基盤「LIXIL Data Platform(LDP)」の構築やノーコード開発ツール「AppSheet」の全社活用などにGoogle Cloudを採用してきた(関連記事:LIXIL、基幹システムを刷新し、全社データ分析基盤を構築/LIXIL、現場社員3963人がノーコード開発で1万7007個のアプリケーションを開発)。
在宅勤務で顕在化した、個人PCからの情報漏洩リスク
現在取り組むプロジェクトの1つに、LIXILの新たなデジタルワークプレイス「Digital Workplace 2.0(DWP2.0)」がある。同社 Digital部門 System Infrastructure部の青木涼氏は、同プロジェクトの重要な要件として「すべてのデータをクラウドに移行すること」を挙げる。
青木氏によると、同社はコロナ禍以前から在宅勤務を推奨しており、現在も多くの従業員がリモートで働いているという。しかし、従来の環境は業務データを従業員個々人のPCに保存できるようになっていて、データ漏洩のリスクが高かった。
DWP2.0の推進にあたって、PC/モバイルデバイス紛失時のリスク軽減と、ランサムウェアなどのサイバー攻撃への対策強化を目的に、既存のグループウェアをクラウドサービスに置き換えることを決定。SaaSのオフィスプロダクティビティ/コラボレーションスイート「Google Workspace」(画面1)を導入した。
画面1:「Google Workspace」のアプリケーション画面例(出典:グーグル・クラウド・ジャパン)拡大画像表示
導入・移行プロジェクトは2021年11月に始まり、2024年9月の旧グループウェアの完全停止まで約3年間に及んだ。現在、従業員が扱うファイル/データについて、ほぼ100%クラウド環境への移行が完了し、プロジェクトの目的であるセキュリティを強化を図っている。
国内外500人超の「推進担当」が段階的な移行を主導
移行作業は、サービスの段階的な切り替えによって進めた。最初にメールとカレンダーを移行した後、ファイルストレージとイントラネット、各種業務ツールを移行。最後に、旧グループウェアの文書ファイルやリストデータを移行した。業務データの移行は、新旧環境の並行利用期間中に、利用者自身のタイミングで行えるようにした。
Digital部門 Global Automation & Operations統括部の和氣裕子氏は、「表計算ソフトのマクロなどの移行は難航を予想したが、ソースコードを生成AIで書き換えることで移行が進んだ」と話す。移行作業中に業務データやツールの要・不要を見直し、旧環境時代に6.5万個近くあったツール群の半数は移行不要になったという。
「移行にあたっては従業員の納得感を重要視した」と和氣氏。現場とのコミュニケーションには手間を惜しまずに多くの時間を充てた。各部署に「推進担当」を選出してもらい、CoEから推進担当、推進担当から従業員へと、情報やノウハウが伝わる体制をとった。推進担当は国内外で500人を超えたという。
●Next:Google Workspaceに移行した後、従業員の働き方が変わった
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