[事例ニュース]

LIXIL、基幹システムを刷新し、全社データ分析基盤も構築

Google Cloud上のSAP S/4HANAで統合、データ分析基盤にBigQueryを活用

2021年5月13日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

住まいの水まわりや建材製品の大手メーカー、LIXILが基幹システムを刷新し、合わせて全社データ分析基盤も構築した。基幹システムをGoogle Cloud上のSAP S/4HANAに移行し、新会計システムが同年4月から本稼働している。パブリッククラウドの採用によってリソースの拡張性を確保したほか、移行にあたって業務プロセスを改善した。並行して、全社横断の業務データ分析基盤「Lixil Data Platform」(LDP)も構築した。SQLでアクセスできるDWHの「Google BigQuery」をベースにしている。2021年5月13日、プロジェクトを統括した同社の岩﨑磨氏がGoogle Cloud Japanの説明会に登壇して紹介した。

 LIXILは、2011年に国内の大手住宅設備機器メーカー5社が合併して生まれた会社である。ドイツの会社と米国の会社も傘下に収めており、グローバルで事業を展開している。今回、会計基準を国際会計基準(IFRS)に統一し、メインフレームで支えてきた基幹業務を、Google Cloud上の「SAP S/4 HANA」に置き換えた。

 LIXILはこれまで、各社のシステム間で、情報の連携がとれていなかった。特に、会計システムの課題は大きく、連結会計情報を手動でとりまとめた上で意思決定を行ってきた。2021年4月から新たな会計システムを稼働させており、全社で会計情報をコントロールできる状況にこぎつけた。

 現状、3つのSAPシステムがGoogle Cloud上のS/4HANAで動いている。いずれは、すべての基幹システムを同稼働環境で稼働させる予定である。S/4HANAのインフラ基盤としてプライベートクラウドではなくパブリッククラウドのGoogle Cloudを選択した理由について、LIXILは、リソースの急激な変化に対して容易に拡張できる点と、DR(災害時復旧)のやり易さを挙げる。

BigQueryを活用した全社横断型のデータ分析基盤も構築

写真1:LIXILで常務役員Digital部門システム開発運用統括部リーダー兼コーポレート&共通基盤デジタル推進部リーダーの岩﨑磨氏写真1:LIXIL 常務役員 Digital部門システム開発運用統括部リーダー兼コーポレート&共通基盤デジタル推進部リーダーの岩﨑磨氏
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 LIXILでは、S/4HANAによる基幹システムの刷新と並行して、業務データを集約して分析するための基盤「Lixil Data Platform」(LDP)も構築した。SQLでアクセスできるデータウェアハウス(DWH)の「Google BigQuery」をベースにしている。

 LIXILでは元々、マーケティング関連データを分析してインサイト(洞察)を得る活動に取り組んできた。数十億件に上るデータの分析を日次業務として実施していた。ところが、欲しいデータを得るために1日を要していた。データ分析基盤の刷新によって、10秒で結果が出るようになったという。

 Lixil Data Platformでは、S/4HANAを含むSoR(Systems of Record)系システムに加えて、新たに開発するSoE(Systems of Engagement)系システムなどのデータを蓄積する。こうして集めたデータを、AIモデルの開発やBI(ビジネスインテリジェンス)、ローコード/ノーコードによるセルフサービス型のデータ活用などに活用する。

 ローコード/ノーコード開発基盤によって、日々の業務を効率化するデータ分析プログラムを、業務部門みずから作れるようになる。また最終的にIT部門にアプリケーションを作ってもらう場合であっても、まずは業務部門においてIT部門に説明するためのプロトタイプを簡単に開発できる。

 LIXILで常務役員Digital部門システム開発運用統括部リーダー兼コーポレート&共通基盤デジタル推進部リーダーの岩﨑磨氏(写真1)は、LIXIL Data Platformの意義を「利益を高めるインサイトを従業員みずから作り出すためのデータ活用基盤」と表現する(関連記事データをビジネス価値に変える基盤をどう作る? 何が大事?─LIXIL岩﨑氏×クックパッド中野氏)。

●Next:BigQueryを中心としたプライベートデータマネジメントプラットフォームの構成イメージ

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