[事例ニュース]
三菱UFJ銀行、ServiceNow ITSMベースの行内ポータルでグローバル事務業務を標準化/効率化
2025年4月21日(月)IT Leaders編集部
三菱UFJ銀行(本店:東京都千代田区)の国際事務企画部は、グローバル事務の標準化と効率化を図るべく、事務領域におけるグローバル共通の行内ポータル基盤に「ServiceNow IT Service Management(ITSM)」を採用、2024年4月より運用している。ポータルが各種問い合わせをワークフロー化し、案件に応じたアサイングループを自動で割り当てて進捗状況の可視化・共有化を実現している。2025年の目標としてグローバル全体で年間2200時間の業務時間削減を目指している。ServiceNow Japanが2025年4月17日に発表した。
三菱UFJ銀行の国際事務企画部は、世界約30カ国、約3000名のスタッフからなる海外支店・現地法人の事務業務全般の企画・統括を行っている。顧客口座の記帳業務などの各種事務手続を担う中で、事務運営のためのシステム群の標準化・効率化に取り組んでいる。
その中で、1日に50~60件の問い合わせメールに対応する際に生じる業務負荷の課題を解決する必要があった。
具体的には、共有メールボックスに集まる大量の問い合わせメールを各担当者が一度確認し、関連する問い合わせを選択して解決しなくてはならないが、その業務によって、本来は解決策に注力すべき時間がやり取りや調整、整理などの複雑な作業に消費され、担当者の負担が増大していた。また、業務プロセスがサイロ化している状態で各担当者への依存度が高く、業務の進捗状況の可視化・共有化も困難だったという。

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同部は、こうした課題を解決するため、グローバル事務共通のコミュニケーション基盤となる行内ポータルを、ITサービス管理プラットフォーム「ServiceNow IT Service Management(ITSM)」を導入して構築。2024年4月より運用している。(画面1)。
問い合わせ窓口を行内ポータルに一元化し、案件に応じたアサイングループを自動で割り当て、進捗状況の可視化・共有化を図っている。問い合わせや対応の履歴は、ナレッジとして自動的に蓄積・更新され、され、FAQとしてまとめられるため、海外担当者の自己解決率向上や、国際事務企画部の負担軽減につながっている。
国際事務企画部は、行内ポータルを活用することで集約前に費やした時間と比較し、大幅な削減が2024年に引き続き可能であると見込んでいる。2025年には、グローバル全体で年間2200時間の削減を目指している。
さらに、システムや事務手続きに関する問い合わせ以外の活用にも広げるべく、みずから市民開発を行って新たな機能を追加している。すでに、内製の市民開発で開発した機能は、新機能全体の3割を占めているという。「ServiceNowのローコード/ノーコード開発機能を活用することで、ITエンジニアではないエンドユーザーも業務ポータルを構築できる」(同部)という。
現在、同部は問い合わせの内容をServiceNowの生成AIサービス「Now Assist」に要約し、ナレッジとして蓄積する新たな機能を実現するためのPoC(概念実証)を進めている。