ソラコムと丸紅は2025年5月12日、IoT領域における戦略的協業の一環として、丸紅I-DIGIOホールディングスとソラコムの合弁会社を設立すると発表した。丸紅I-DIGIOグループの丸紅ネットワークソリューションズからMVNO事業を切り出し、ソラコムから51%の出資を受けて運営する。新会社は、丸紅ネットワークソリューションズの事業基盤にソラコムの技術力・サービス開発力を付加し、IoT通信を含むモバイルサービスを提供する。新会社の社名は未定で、2025年8月1日の設立を予定している。
ソラコムと丸紅は、IoT領域における戦略的協業の一環として、IT事業会社4社の中間持株会社である丸紅I-DIGIOホールディングスとソラコムの合弁会社(社名は未定)を、2025年8月1日に設立する(写真1)。丸紅I-DIGIO傘下でネットワークアウトソーシング事業を担う丸紅ネットワークソリューションズのMVNO事業を分社化・継承したうえで、ソラコムが51%出資してソラコムのグループ会社として運営する。

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新会社の分割元である丸紅ネットワークソリューションズは、モバイルワーカー向けデータ通信サービスなどを提供しており、NTTドコモ回線を提供するフルMVNO事業を展開している。新会社に出資するソラコムは、KDDI網とグローバル回線を提供するフルMVNOとしてIoT向け通信サービスを提供しており、通信に必要な顧客管理・制御システムをクラウド上に構築している。新会社は、両社のリソースを合わせることで、IoT通信を含むモバイル事業を拡大する(図1)。

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新会社では、ソラコムのソフトウェアやクラウド技術を活用し、MVNO事業のインフラ設備やサービスを改良する(図2)。まず、回線管理コンソールを刷新し、ユーザーの操作性を高める。また、次世代SIMであるiSIM(通信モジュールとSIMを1枚のチップに統合した技術)への対応や、モバイルワーカー向けのSASE(Secure Access Service Edge)への応用も検討する。将来的には、1つのSIMで複数の国内キャリアのプロファイルが使える「マルチキャリアプロファイル」の実現も視野に入れる。

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両社のMVNO事業は補完関係にあると両社は指摘する(図3)。例えば、モバイル通信の帯域面では、丸紅グループはヒト向けの下りトラフィックがメイン、ソラコムはモノ向けの上りトラフィックがメインである。両社が連携することで、システムや設備のスケールメリットが生まれる。

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