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荏原製作所、基幹業務を含む200以上のシステムで利用するOracle DBをOCIに移行

2025年5月14日(水)IT Leaders編集部

荏原製作所は、基幹業務を含む200以上のシステムで利用する「Oracle Database」およびアプリケーション群をIaaSの「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」に移行した。他のIaaSとの比較で、データベース基盤コストを約40%削減できることからOCIを採用し、6カ月で移行を完了している。日本オラクルが2025年5月13日に発表した。

 荏原製作所は、グローバルで約2万人の従業員を擁する産業機械メーカーである。ポンプ、送風機、冷却塔、半導体製造装置などを製造・販売している。海外売上高比率は66%に達している。2023年から2025年までの中期経営計画で、ERPシステムの全社導入やグローバルITインフラの統合による業務の標準化・効率化を進めている。

 今回、グローバルITインフラ確立の一環として、基幹業務を含む200以上のシステムで利用する「Oracle Database」とアプリケーション群を、パブリッククラウド/IaaSの「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」に移行した。

 移行プロジェクトのスコープとして、スタンバイ環境の新設による高可用性の確保、定期的なパッチ適用作業など運用負荷の軽減、さらに他社クラウド環境で稼働するシステムと連携可能なマルチクラウド構成の実現などを挙げている。

 荏原製作所は、Oracle Databaseを継続利用する方針の下、複数のクラウドサービスを比較検討。他のIaaSを選定した場合との比較でデータベース基盤のコストを約40%削減できることからOCIを採用した。「Oracle Exadata」や「Oracle Real Application Clusters(RAC)」を利用できることも選定のポイントになったという。

図1:Oracle Exadata Database Serviceの全体イメージ(出典:日本オラクル)
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 新しいデータベース基盤を、OCI上の「Oracle Exadata Database Service」(図1)が駆動する。アプリケーションサーバー基盤は、仮想マシンとして「OCI Compute」と「Oracle Cloud VMware Solution」、Javaアプリケーションサーバーとして「Oracle WebLogic Server for OCI」を利用している。

 移行作業では、既存アプリケーションを大幅に改変することなく、約6カ月で完了した。スタンバイ環境も新設し、障害時やメンテナンス時の影響を最小限に抑える体制を整えている。

 また、リソース変更の柔軟性を活かし、検証環境やスタンバイ環境の確保にかかるコストを抑制。加えて、「Oracle Real Application Testing」の活用によってSQLテスト対象を98.8%削減したという。

 日本オラクルがプロジェクトを全般にわたって支援している。導入フェーズでは、「Oracle Cloud Lift Services」によってアーキテクチャの方針を策定し、オラクルのコンサルティングサービス部門が「Oracle Exadata Database Service」の構築や「Oracle Real Application Testing」の活用支援、移行作業を担当した。

 続く運用フェーズで、「Oracle Customer Success Services」を通じて、「Oracle Advanced Monitoring and Resolution」によるシステム監視と、「Oracle Cloud Success Assurance」によるサービスリクエスト管理体制を整備している。

 荏原製作所では、販売・購買管理などの基幹業務や精密・電子事業で利用する業務アプリケーションなどをクラウドに移行した結果、安定性や柔軟性、コスト効率を高めながら、IT基盤の標準化と事業拡大への迅速な対応を実現している。

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