[調査・レポート]

2024年度のクラウド型DLP市場は前年比27.4%増、大企業を中心に導入が進む─ITR

2025年6月27日(金)IT Leaders編集部、日川 佳三

アイ・ティ・アール(ITR)は2025年6月26日、国内のクラウド型DLP(データ漏洩防止)製品市場の推移と予測を発表した。2023年度の売上金額は前年度比31.6%増の44億6000万円だった。2024年度は同27.4%増の56億8000万円を予測している。膨大な重要データを保有し、セキュリティ対策に積極的な大企業を中心に、クラウド型DLPの導入が進んでいるという。

 アイ・ティ・アール(ITR)は、国内のクラウド型DLP(Data Loss Prevention:データ漏洩防止)製品市場の推移と予測を示した。調査にあたって、クラウド型DLPを「クラウドに格納している機密情報や重要データを監視・可視化し、情報の持ち出しやコピーの可能性を検知した際、アラート通知や操作ブロックで情報流出を防止する製品」と定義している。

 同市場における2023年度の売上金額は前年度比31.6%増の44億6000万円だった。2024年度は同27.4%増の56億8000万円を予測している(図1)。

図1:クラウド型DLP市場における規模の推移と予測(2022~2028年度予測)(出典:アイ・ティ・アール)
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 ITRは、企業が自社の機密情報や重要データをクラウド環境に格納したり、クラウドサービスを通じて共有したりする機会が増えていることから、伴って利用中のクラウドサービスからの情報漏洩リスクが高まり、情報漏洩防止や情報保護の需要が拡大していることを指摘する。

 「こうした中で、膨大な重要データを保有し、セキュリティ対策に積極的な大企業を中心に、クラウド型DLPの導入が進んでいる。一方、中堅・中小企業での導入も増加傾向にあり、今後も市場はさらに拡大すると見られる」(同社)。同市場のCAGR(2023~2028年度)を13.6%、2028年度には84億2000万円に達すると予測している。

 同社アナリストの中村悠氏によれば、近年、ゼロトラストセキュリティの有効な手段として、SASE(Secure Access Service Edge)が普及しつつあるという。SASEは、CASB(Cloud Access Security Broker)やSWG(Secure Web Gateway)などで構成されている。同氏は、クラウド型DLPもその一要素に位置づけられ、業種や従業員規模を問わず導入が拡大していると説明し、ユーザー企業に向けて次のようにアドバイスしている。

 「企業においては、利用するクラウドサービスごとに適切なセキュリティ設定と定期的な見直しが不可欠である。加えて、クラウド型DLPを情報漏洩対策として採用することで、より高度なセキュリティレベルを実現できる」

 今回の発表は、市場調査レポート「ITR Market View:SASE市場2025」に基づく。同レポートは、FWaaS、SD-WAN、CASB、ZTNA、クラウド型セキュアWebゲートウェイ、Web分離、クラウド型DLPの全7分野を対象に、国内27ベンダーへの調査から、2022~2023年度売上実績および2028年度までの売上予測を掲載している。

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