SHIFTは2025年10月14日、レガシーシステムの移行/モダナイゼーションをAIで省力化するためのコンサルティング/SIサービスを発表した。同社がソフトウェア開発・品質保証領域で培ったAI活用ナレッジを活用する。システムを可視化して刷新範囲を特定したうえで、AIエージェントを使って上流から下流までの全工程を通して生産性を高められる環境を整備する。
SHIFTは、多大な開発・運用コストがかかるレガシーシステムの移行/モダナイゼーションをAIで省力化するためのコンサルティング/SIサービスを提供する。同社がソフトウェア開発・品質保証領域で培ったAI活用ナレッジを活用する(図1)。

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移行/モダナイゼーションの対象について、メインフレーム/COBOLなどの典型的なレガシーシステムだけでなく、運用開始から10年ほど経ったシステムや、モダナイゼーションを施したものの技術的負債が大きなシステムも該当する(図2)。「システムの可視化が困難なことなどから、これらのシステムが塩漬けとなるケースがあった」(SHIFT)。

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同社の調査によると、レガシーシステムのソースコードのうち30~50%は不要で、移行対象の選定がモダナイゼーションの成否に大きく関わるという。今回提供するコンサル/SIでは、AIを用いながらシステムと業務プロセスを可視化し、移行対象を特定したうえで移行方針を策定する。
可視化の対象はシステムの機能仕様、データフロー、業務フローなどに及び、これを基にマイクロサービス化を設計する。ソフトウェアを業務プロセスや機能ごとに分割し、複数の独立した小規模サービスの集合体として再構成し、拡張性が高く開発・再刷新しやすいシステムを実現するとしている。
加えて、システム開発フレームワーク「SHIFT DQS(Development Quality Standard)」をAI駆動開発に適した形にチューニングし、米Cognition AIのソフトバンク開発AIエージェント「Devin」と組み合わせて活用する。AIの活用により、システムの要件定義からテスト工程まで、開発工程全体にわたって品質と生産性を高められる環境を整備するとしている(図3)

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