社会医療法人宏潤会 大同病院(愛知県名古屋市)は、SalesforceのAIエージェント「Agentforce」を診療予約業務に導入する。コールセンターが担ってきた予約受付をAIエージェントが代替することで、夜間・休日を含む24時間365日、予約できるようにする。セールスフォース・ジャパンが2026年3月4日に発表した。
大同病院(写真1)は、名古屋市南部を中心とした地域医療の中核を担う社会医療法人である。高度急性期医療、救急医療、がん診療などに強みを持つ。現在は、デジタル技術を活用した医療DXを推進し、患者サービスの質的向上に取り組んでいる。今回、その一環で、SalesforceのAIエージェント「Agentforce」の導入を決めた。
写真1:名古屋市にある大同病院の外観(出典:社会医療法人宏潤会 大同病院、セールスフォース・ジャパン)導入の背景には、予約受付業務の課題がある。これまで同院では、患者からの初診・再診の予約受付をコールセンターで対応してきた。しかし、医療の高度化にともない診療科ごとの予約ルールは複雑化しており、患者を適切な診療科へ案内するには高度な知識と経験が求められるようになっていた。
加えて、コールセンター業務の一部は外部委託であり、応対者のスキルに依存した運用になっていたため、ナレッジの蓄積が十分でなく、案内精度の維持が難しかった。また、有人対応のために予約受付時間にも制約があり、患者が自身の都合に合わせて予約を取ることが難しかった。
こうした課題を解決するため、Agentforceの採用を決めた。従来のチャットボットとは異なり、自律的に判断して行動するAIエージェントが患者を適切な診療科へと案内する。患者がWebサイトなどから問い合わせると、AIエージェントが症状や要望をヒアリングし、蓄積されたナレッジと診療科のルールに基づいて適切な診療科を選定、予約完了までを自動で完結させる。これにより、夜間・休日を問わず24時間365日、いつでも診療予約が可能になる。
今回の診療予約領域での活用を皮切りに、同院はSalesforceの活用領域を広げていく計画である。医療情報システムのデータを統合基盤に集約する構想の下、人事や事務部門などの機能も拡張する。電子カルテや既存システムでは開発が困難だった機能や、AI技術を活用した新機能を、Salesforce上でアジャイルに開発・実装する。これにより、変化の激しい医療環境に即応できる体制を構築する。
社会医療法人宏潤会 理事長の宇野雄祐氏は「煩雑な事務作業や調整業務をAIに任せ、人間だからこそ担える役割に注力できる環境を作りたい」としている。
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